イタイプダム(読み)いたいぷだむ(英語表記)Itaipu Dam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イタイプダム」の意味・わかりやすい解説

イタイプダム
Itaipú Dam

パラグアイのシウダーデルエステ北部,ブラジルとパラグアイの国境を流れるパラナ川上流にある中空重力ダム(→重力ダム)。水力発電用ダムとして世界有数の出力をもち,ダム直下の発電所に設置された 18基の巨大タービン発電機による発電出力は 1万2600MWに上る。パラグアイとブラジルの共同事業で建設され,複数のダムと放水路がパラナ川上流 8kmにわたって弧を描きながら伸びている。ダム本体は 1975~82年に建設され,高さは 196mで,巨大なコンクリートを接合してつくられ,中部には空洞がある。上流側の壁は二つのバットレス控壁)によって支えられ,下流側は巨大なコンクリート壁になっている。中空重力ダムとしては世界最大級で,貯水池は北側約 160kmにわたって延び,かつては壮大な景観を誇ったグアイラ滝も完全に水没した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イタイプダム」の意味・わかりやすい解説

イタイプ・ダム
いたいぷだむ
Itaipu Dam

南アメリカ、ブラジルとパラグアイの国境を流れるパラナ川にあるダム。堤頂の長さ7.37キロメートル、最大堤高196メートル、有効貯水容量190億立方メートルの規模をもち、中空重力、ロックフィル、アースフィルなど、種々の型式を組み合わせたコンバインダムで、1975年着工、82年完成。総出力1260万キロワットの発電設備が完備すると世界最大の水力発電所となる。

[石﨑正和

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