デジタル大辞泉
「辰砂」の意味・読み・例文・類語
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しん‐しゃ【辰砂・辰沙】
- 〘 名詞 〙
- ① 水銀の硫化鉱物。特徴ある紅色の土状または塊状物。六方晶系。水銀の原料鉱物として重要。古くから顔料の朱としても用いられた。中国の辰州(湖南省沅陵県)から産したのでこの名がある。朱砂。丹砂。丹朱。
- [初出の実例]「風を治する薬には、牛黄金虎丹、辰沙(シンシャ)、天麻円を合せて御療治候べしと申す」(出典:太平記(14C後)二五)
- ② 陶磁器で、銅を含む釉(うわぐすり)の一種。還元焔焼成により、天然朱の辰砂に似た鮮紅色に発色する。中国では釉裏紅(ゆうりこう)という。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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辰砂
しんしゃ
cinnabar
硫化鉱物の一つ。水銀の鉱石鉱物として重要であるのみならず、顔料として古代から広く用いられている鉱物。黒辰砂metacinnabarおよびハイパー辰砂hypercinnabarと同質異像関係にある。合成物の実験では、純粋な辰砂は約345℃で黒色の黒辰砂相当相に転移し、約481℃でハイパー辰砂相当相に転移する。浅~中熱水鉱床中、緑色岩中、変成層状マンガン鉱床中などに産し、硫化鉄鉱物、硫化砒(ひ)素鉱物、炭酸塩鉱物、石英、有機物質などと共存することが多い。自形は六角柱状で、貫入双晶(二つの個体が互いに入り組んだ双晶)をつくることもある。日本では、北海道常呂(ところ)郡留辺蘂(るべしべ)町(現、北見市留辺蘂町)イトムカ鉱山(閉山)、奈良県宇陀(うだ)郡菟田野(うたの)町(現、宇陀市菟田野地区)大和(やまと)水銀鉱山(閉山)などが有名であった。
[加藤 昭 2017年5月19日]
辰砂(データノート)
しんしゃでーたのーと
辰砂
英名 cinnabar
化学式 HgS
少量成分 ―
結晶系 三方
硬度 2~2.5
比重 8.20
色 赤~暗赤
光沢 金剛
条痕 赤~暗赤
劈開 三方向に完全
(「劈開」の項目を参照)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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辰砂
しんしゃ
cinnabar
HgS 。六方晶系の鉱物。普通微粒の集合体。硬度2~2.5,比重 8.09。金剛光沢をもつ。純粋なものは朱色,不純物を含むほど褐赤色となる。条痕は深紅色。最近の火山岩,温泉の近くの岩石中に熱水鉱床として,鉱染状または鉱脈状に黄鉄鉱,白鉄鉱,輝安鉱,蛋白石,石英などとともに産する。水銀の重要な鉱石鉱物。スペインのアルマデン産のものが有名。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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「辰砂」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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