パリ燃ゆ(読み)パリモユ

デジタル大辞泉 「パリ燃ゆ」の意味・読み・例文・類語

パリもゆ【パリ燃ゆ】

大仏次郎による歴史ノンフィクション。1871年のパリコミューン足跡を膨大な資料もとに描く。昭和36年(1961)から昭和38年(1963)にかけて「朝日ジャーナル」に連載。次いで昭和39年(1964)に「世界」に続編を連載し、同年合本として出版

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パリ燃ゆ」の意味・わかりやすい解説

パリ燃ゆ
ぱりもゆ

大仏(おさらぎ)次郎作の史伝。1961年(昭和36)10月から63年9月まで『朝日ジャーナル』、64年3月から11月まで『世界』に連載。1871年3月から5月へかけて史上初めての人民自治を実現したパリコミューンの歴史的経緯を、当時の新聞・雑誌はもちろん実歴談、日記、議会の査問会の速記などに至るまで克明に調査し、現地を踏査してまとめた一大叙事詩である。フランス第三共和政下の諸事件を描いてきた作者は、その時代の原点に立ち返ってパリ・コミューンをまとめたわけだが、旺盛(おうせい)な知的好奇心を支えにアネクドート逸話)に近いものを積み上げながらも、そこに人間の、そして歴史のドラマを構成してあり、文学者の歴史認識、時代意識をうかがわせる。

尾崎秀樹

『『パリ燃ゆ』全六冊(朝日新聞社・大仏次郎ノンフィクション文庫)』

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