ヒメオトギリ(読み)ひめおとぎり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメオトギリ」の意味・わかりやすい解説

ヒメオトギリ
ひめおとぎり / 姫弟切
[学] Hypericum japonicum Thunb.

オトギリソウ科(APG分類:オトギリソウ科)の一年草。名は、全体がオトギリソウに似るが、より小形であることに由来する。茎はあまり分枝せず直立して高さ15~40センチメートル、普通上方で分枝する。葉は小さく三角状卵形で長さ0.5~1.5センチメートル、明点が散在する。包葉は小さく、線形。夏、小さな黄色花を開く。雄しべは10~20本、束生しない。湿った原野に生え、関東地方南部以西の本州から沖縄、および東南アジアからオーストラリアに分布する。

[杉山明子 2020年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒメオトギリ」の意味・わかりやすい解説

ヒメオトギリ(姫弟切)
ヒメオトギリ
Hypericum japonicum

オトギリソウ科の一年草または多年草で,アジアとオーストラリアの熱帯から温帯に広い分布をもつ。日本では西日本の暖地野原山麓湿地に生える。茎は直立し高さ 15~50cmで,4稜があり無毛である。葉は対生し,基部は茎を抱く。長さ 1cm以下の楕円形で全縁,葉を透かして見ると透明な油点が散在する。花は6~8月に開き,小さく黄色い。萼片は緑色,多数あるおしべは3つの束をつくっている。コケオトギリに似ているが,本種では茎がしっかりしていて,葉の色が青みがかった緑色,花の下の包葉が披針形であることなどで区別できる。

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