日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビジェ・ルブラン」の意味・わかりやすい解説
ビジェ・ルブラン
びじぇるぶらん
Marie Louise Élisabeth Vigée-Le Brun
(1755―1842)
フランスの画家。パリに生まれ、同地に没。父は肖像画家ルイ・ビジェLouis Vigée(1715―1767)。父とジョセフ・ベルネClaude Joseph Vernet(1714―1789)およびグルーズに学ぶ。1776年、画商ルブランJean-Baptiste Pierre Le Brun(1748―1813)と結婚。繊細優美で感傷的な画風と、才知と美貌(びぼう)によって、早くから上流社会に多くの後援者をもち、1778年から王妃マリ・アントアネットの宮廷画家として、王妃および周辺の人々の肖像画を数多く手がけている。1783年、王室アカデミー会員。フランス革命のため国外に出て、1802年までイタリア、オーストリア、ドイツ、ロシアなどで過ごし、各地のアカデミーに会員として迎えられた。代表作に『画家と娘』(パリ、ルーブル美術館)、『自画像』(フィレンツェ、ウフィツィ美術館)などがある。
[黒田亮子]