日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビジェ・ルブラン」の意味・わかりやすい解説
ビジェ・ルブラン
びじぇるぶらん
Marie Louise Elizabeth Vigée-Le Brun
(1755―1842)
フランスの女流画家。パリに生まれ、同地に没。父は肖像画家ルイ・ビジェ。父とジョセフ・ベルネおよびグルーズに学ぶ。1776年画商ルブランと結婚。繊細優美で感傷的な画風と、才知と美貌(びぼう)によって、早くから上流社会に多くの後援者をもち、79年から王妃マリ・アントアネットの宮廷画家として、王妃および周辺の人々の肖像画を数多く手がけている。83年、王室アカデミー会員。フランス革命のため国外に出て、1802年までイタリア、オーストリア、ドイツ、ロシアなどで過ごし、各地のアカデミーに会員として迎えられた。代表作に『画家と娘』(ルーブル美術館)、『自画像』(ウフィツィ美術館)などがある。
[黒田亮子]