ピルニッツ宮殿(読み)ピルニッツきゅうでん(英語表記)Pillnitz Palas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピルニッツ宮殿」の意味・わかりやすい解説

ピルニッツ宮殿
ピルニッツきゅうでん
Pillnitz Palas

ドイツ宮殿ドレスデン郊外のピルニッツに,1720~32年ザクセンのフリードリヒ・アウグスト1世が M.D.ペッペルマンに命じて建てさせた東洋風の宮殿で,「インドの家」と「水の宮殿」に分かれている。「インドの家」には中国,日本,インド風の壁画が描かれ,「水の宮殿」はエルベ川の川遊び用につくられたもの。内側に湾曲したマンサード屋根の形やファサードを飾る壁画は,王の陶器収集趣味を反映している。庭園には江戸時代に日本から取り寄せたツバキ,ヒノキ,タケなどがある。ピルニッツ宮殿をはじめ,エルベ川沿いの東西約 18kmには 16~20世紀にかけてつくられたモニュメント城,庭園が広がり,その景観は 2004年に世界遺産の文化遺産に登録された。しかし,その後橋が建設され著しく景観をそこねたとして,2009年登録を抹消された。

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