ピーセムスキー(読み)ぴーせむすきー(英語表記)Алексей Феофилактович Писемский/Aleksey Feofilaktovich Pisemskiy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピーセムスキー」の意味・わかりやすい解説

ピーセムスキー
Pisemskii, Aleksei Feofilaktovich

[生]1821.3.23. コストロム,ラメニエ
[没]1881.2.2. モスクワ
ロシア小説家。貧しい貴族の家に生れ,役所勤めのかたわら文筆活動を続け,『なまけ者』 Tyufyak (1850) で,農奴解放前の地方社会の生活,特に貴族の道徳的退廃を描いた。作品の多くは当時の革命的批評家たちによって反農奴制の政治的宣伝の材料とされたが,彼自身はそうした運動に共鳴していたわけではなく,『波立つ海』 Vzbalamuchennoe more (63) で風刺さえしている。ほかに『千の魂』 Tysyacha dush (58) ,『40年代人』 Lyudi sorokovykh godov (69) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピーセムスキー」の意味・わかりやすい解説

ピーセムスキー
ぴーせむすきー
Алексей Феофилактович Писемский/Aleksey Feofilaktovich Pisemskiy
(1821―1881)

ロシアの小説家。モスクワ大学卒業。農村の貴族、地方都市の商人官吏大都市の貧しい知識人など、19世紀中葉のロシアのさまざまの社会層の姿を精緻(せいち)な風俗描写を通じて描いている。代表作として『ふとん』(1850)、『千の魂』(1858)、『荒れ騒ぐ海』(1863)、『渦の中で』(1871)などがある。

[直野 敦]

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