ピーセムスキー(その他表記)Aleksei Feofilaktovich Pisemskii

デジタル大辞泉 「ピーセムスキー」の意味・読み・例文・類語

ピーセムスキー(Aleksey Feofilaktovich Pisemskiy)

[1821~1881]ロシア小説家劇作家。地方貴族官吏腐敗堕落した生活を克明に描いた。小説千人農奴」など。

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精選版 日本国語大辞典 「ピーセムスキー」の意味・読み・例文・類語

ピーセムスキー

  1. ( Aljeksjej Fjeofilaktovič Pisjemskij アレクセイ=フェオフィラクトビチ━ ) ロシアの小説家。自然主義的手法で、農奴解放前の農村や貴族、地主商人などの姿を描いた。代表作「千人の農奴」。(一八二一‐八一

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改訂新版 世界大百科事典 「ピーセムスキー」の意味・わかりやすい解説

ピーセムスキー
Aleksei Feofilaktovich Pisemskii
生没年:1821-81

ロシアの作家。古い貴族の家庭に生まれ,モスクワ大学卒業後10年間,故郷コストロマで役人生活を送り,地方の地主や小作人生態を間近に観察,それをもとに《怠け者》(1850),《喜劇役者》(1851)を発表し,ゴーゴリ的リアリズムの伝統をつぐ者として高い評価を受ける。農奴解放前夜の農村生活に題材をとった長編《千の魂》(1858),戯曲《悲運》(1859)はその代表作。だが1860年代には《読書文庫Biblioteka dlya chteniya》誌を主宰し,当時の革命運動を攻撃する小品を連載,特に長編《荒れさわぐ海》(1863)では,革命運動を貴族の無為の産物と決めつけ,そのために進歩派陣営から反ニヒリズム作家とされた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピーセムスキー」の意味・わかりやすい解説

ピーセムスキー
Pisemskii, Aleksei Feofilaktovich

[生]1821.3.23. コストロム,ラメニエ
[没]1881.2.2. モスクワ
ロシアの小説家。貧しい貴族の家に生れ,役所勤めのかたわら文筆活動を続け,『なまけ者』 Tyufyak (1850) で,農奴解放前の地方社会の生活,特に貴族の道徳的退廃を描いた。作品の多くは当時の革命的批評家たちによって反農奴制の政治的宣伝の材料とされたが,彼自身はそうした運動に共鳴していたわけではなく,『波立つ海』 Vzbalamuchennoe more (63) で風刺さえしている。ほかに『千の魂』 Tysyacha dush (58) ,『40年代人』 Lyudi sorokovykh godov (69) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピーセムスキー」の意味・わかりやすい解説

ピーセムスキー
ぴーせむすきー
Алексей Феофилактович Писемский/Aleksey Feofilaktovich Pisemskiy
(1821―1881)

ロシアの小説家。モスクワ大学卒業。農村の貴族、地方都市の商人や官吏、大都市の貧しい知識人など、19世紀中葉のロシアのさまざまの社会層の姿を精緻(せいち)な風俗描写を通じて描いている。代表作として『ふとん』(1850)、『千の魂』(1858)、『荒れ騒ぐ海』(1863)、『渦の中で』(1871)などがある。

[直野 敦]

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