フェナク石(読み)ふぇなくせき(英語表記)phenakite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェナク石」の意味・わかりやすい解説

フェナク石
ふぇなくせき
phenakite
phenacite

ベリリウムを含むもっとも単純なネソ珪(けい)酸塩鉱物。フェナス石ともいう。低い三方複錐(ふくすい)状結晶をなすほか、柱状あるいは針状で、ときに針状結晶が放射状に集合して球顆(きゅうか)をつくる。花崗(かこう)岩ペグマタイト中に緑柱石などと産する。またスカルン中にデーナ石、蛍石(ほたるいし)などと産する。雲母(うんも)片岩や層状鉄鉱層の中の石英脈中にもみられる。石英と誤認されやすいため、英名は、詐欺師phenaxという意味のギリシア語に由来する。

松原 聰]


フェナク石(データノート)
ふぇなくせきでーたのーと

フェナク石
 英名    phenakite,phenacite
 化学式   Be2SiO4
 少量成分  ―
 結晶系   三方
 硬度    7.5~8
 比重    3.0
 色     無
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に明瞭
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android