蛍石(読み)ほたるいし(英語表記)fluorite

翻訳|fluorite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蛍石
ほたるいし
fluorite

CaF2 。代表的ハロゲン化鉱物。等軸晶系。比重 3.18,硬度4。無色透明,青,緑,灰,紫青,桃色など種々の色調を示す。立方体,正八面体の結晶として産出する。劈開{111}に完全。もろくて貝殻状断口を有する。加熱,日光の直射,紫外線の照射などによって,リン光やケイ光を発する。各種熱水性金属鉱床の脈石鉱物,各種火成岩またはペグマタイト中の副成分鉱物として広く産出する。製鉄用の触媒,乳白ガラスの混合材,エナメル混合材などとして利用されるほかフッ酸製造の原料鉱物として重要。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

ほたる‐いし【蛍石】

弗化(ふっか)カルシウムを主成分とする鉱物。無色であるが、不純物を含み着色していることが多い。光沢のある結晶。等軸晶系。加熱により燐光(りんこう)を、紫外線の照射により蛍光を発する。水に不溶弗素の原料や特殊ガラス・製鉄用融剤などに使用。フローライト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

蛍石【ほたるいし】

組成がCaF2の鉱物。等軸晶系。結晶は立方体,八面体など。産状は緻密(ちみつ)な塊状,粒状集合。へき開は完全。もろい。硬度4,比重3.18。透明〜半透明でガラス光沢があり,無色または不純物により黄,緑,紫,灰,青,褐色などを帯びる。放射線,圧力,加熱で変色し,紫外線で強い蛍光(けいこう)を,徐熱または日光でリン(燐)光を発する。広く酸性火成岩,アルカリ岩,ペグマタイト中に産出。フッ化水素酸原料,製鉄用溶剤,装飾用,特殊ガラス原料などに利用。美しいものは宝石となる。フローライトとも。
→関連項目紫外線乳白ガラス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ほたるいし【蛍石 fluorite】

フッ素を含む重要な鉱物。フローライトともいう。化学組成はCaF2。等軸晶系に属し,多くは立方体,八面体の結晶形を示す。へき開{111}に完全でぜい弱。貝殻状または不規則な断口を示して割れる。通常ち密な塊状・粒状集合体として産出する。純粋なものは無色であるが,通常黄・緑・紫・灰・青・褐色などを呈しガラス光沢がある。各種放射線,圧力,加熱などで変色する。屈折率nD=1.434。通常紫外線で強い光を発し,熱または日光にさらすと,リン光を発するものが多い。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

けいせき【蛍石】

ほたるいし【蛍石】

フッ化カルシウムからなる鉱物。立方晶系に属し、無色・淡緑色・紫色など変化に富み、紫外線を照射すると蛍光を発し、熱や日光にさらすとリン光を発するものが多い。ペグマタイトや各種鉱脈中に産し、フッ素の原料、アルミニウム製錬や製鉄のフラックスとして用いる。けいせき。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蛍石
ほたるいし
fluorite

岩塩とともにもっとも普通のハロゲン化鉱物の一つ。各種熱水鉱脈鉱床、接触交代鉱床(スカルン型鉱床)、気成鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト、石灰岩中などに産し、溶剤、セメント用など工業原料として用いられる。自形は立方体、正八面体およびこれらの聚(しゅう)形からなる。希土類元素が部分的にカルシウムのかわりに入ると、原子価調整のため、過剰のフッ素が含まれる。Sr(ストロンチウム)に富むものがあり、これはフェン岩という一種の交代岩中に産する。希土類がイットリウム族の場合は別種イットロ蛍石に、セリウムの場合はセル蛍石cerfluoriteになる。日本では新潟県東蒲原(ひがしかんばら)郡阿賀(あが)町の五十島(いがしま)鉱山(閉山)、岐阜県関市の平岩鉱山(閉山)などではほとんど蛍石のみからなる鉱脈がある。閃(せん)ウラン鉱と同構造。英名フルオライト(フローライトともいう)はラテン語で「流れる」を意味するfluereに由来し、同鉱物が加熱で容易に溶けること、溶剤としての用途を示している。[加藤 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

余震

初めの大きい地震に引き続いて,その震源周辺に起こる規模の小さい地震の総称。大きい地震ほど余震の回数が多く,余震の起こる地域も広い。余震域の長径の長さは,地震断層の長さにほぼ対応している。マグニチュード...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

蛍石の関連情報