フランクリン鉱(読み)ふらんくりんこう(英語表記)franklinite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランクリン鉱」の意味・わかりやすい解説

フランクリン鉱
ふらんくりんこう
franklinite

アメリカのニュー・ジャージー州フランクリン・ファーネス原産の磁鉄鉱亜鉛置換体原産地と隣接するスターリング・ヒルSterling Hill鉱山からは多産するが、これら以外からの産出は非常に少ない。方解石集合体中に正八面体を主とした粒状結晶、あるいはその集合として産し、珪(けい)亜鉛鉱、紅亜鉛鉱などとともにきわめて特異な亜鉛鉱石を構成する。命名は原産地にちなむ。

加藤 昭]


フランクリン鉱(データノート)
ふらんくりんこうでーたのーと

フランクリン鉱
 英名    franklinite
 化学式   ZnFe3+2O4
 少量成分  Mn2+,Fe2+,Mn3+
 結晶系   等軸
 硬度    5.5~6
 比重    5.0~5.2
 色     黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のフランクリン鉱の言及

【亜鉛鉱物】より

…大分県木浦鉱山の異極鉱は美晶である。アメリカのニュージャージー州フランクリンには紅亜鉛鉱zincite ZnO(純粋のZnOは白色であるが,天然に産するものはMnなどの不純物を含み紅色である),フランクリン鉱franklinite (Zn,Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4(磁鉄鉱Fe3O4と同構造),ウィレマイトwillemite Zn2SiO4(ケイ酸亜鉛鉱ともいい,六方晶系。類似の化学組成をもつカンラン石Mg2SiO4は斜方晶系で,構造が異なる)などを産し,亜鉛鉱床の酸化帯が変成作用を受けたものといわれている。…

※「フランクリン鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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