紅亜鉛鉱(読み)こうあえんこう(その他表記)zincite

翻訳|zincite

最新 地学事典 「紅亜鉛鉱」の解説

こうあえんこう
紅亜鉛鉱

zincite

化学組成ZnOの鉱物六方晶系,空間群P63mc, 格子定数a0.3242nm, c0.5176, 単位格子中2分子含む。ブロメライトと同形,ウルツ鉱型構造を有する。人工AX型酸化物の多くはこの構造をとる。紅亜鉛鉱は通常塊状。劈開}完全,断口貝殻状,硬度4,比重5.66。ダイヤモンド光沢黄橙~濃紅色,条痕黄橙色。薄片中黄~濃紅色,屈折率ω2.013,ε2.029, 一軸性正。Mn, Feなどを少量含有する。米国ニュージャージー州Franklinの石灰岩中でフランクリン鉄鉱閃亜鉛鉱などと共生する。亜鉛鉱石に利用される。化学組成から命名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「紅亜鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

紅亜鉛鉱
こうあえんこう
zincite

亜鉛(Zn)鉱物の一つ。きわめて局限された産地に多産する。アメリカのニュー・ジャージー州フランクリン・ファーネスFranklin Furnace鉱山(閉山)およびスターリング・ヒルSterling Hill鉱山(閉山)の変成層状亜鉛鉱床、マンガン鉱床に多産し、亜鉛の鉱石鉱物となる。1980年以降に数回爆発したワシントン州セント・ヘレンズ火山の火山噴出物からも確認された。多くは塊状集合あるいは粒状をなして産し、少量成分のマンガン(Mn)は両主要産地のものに広く含有されている。方解石フランクリン鉱、珪(けい)亜鉛鉱などと共存する。日本ではまだ産出は知られていない。英名は成分の亜鉛に由来する。和名は色と成分にちなむ。

加藤 昭 2016年8月19日]


紅亜鉛鉱(データノート)
こうあえんこうでーたのーと

紅亜鉛鉱
 英名    zincite
 化学式   ZnO
 少量成分  Mn
 結晶系   六方
 硬度    4
 比重    5.67
 色     黄橙,深赤,黄灰,無
 光沢    亜金剛~樹脂
 条痕    黄橙,灰,無
 劈開    三方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紅亜鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

紅亜鉛鉱
こうあえんこう
zincite

ZnO 。六方晶系に属する亜鉛鉱物の一つ。紅 (べに) 亜鉛鉱ともいう。硬度4,比重 5.66~5.69。亜金剛光沢,オレンジ~深紅色を呈する。アメリカのフランクリン鉱山などでは主要亜鉛鉱物をなす。亜鉛鉱石,鉱石検波器に用いる。

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世界大百科事典(旧版)内の紅亜鉛鉱の言及

【亜鉛鉱物】より

…大分県木浦鉱山の異極鉱は美晶である。アメリカのニュージャージー州フランクリンには紅亜鉛鉱zincite ZnO(純粋のZnOは白色であるが,天然に産するものはMnなどの不純物を含み紅色である),フランクリン鉱franklinite (Zn,Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4(磁鉄鉱Fe3O4と同構造),ウィレマイトwillemite Zn2SiO4(ケイ酸亜鉛鉱ともいい,六方晶系。類似の化学組成をもつカンラン石Mg2SiO4は斜方晶系で,構造が異なる)などを産し,亜鉛鉱床の酸化帯が変成作用を受けたものといわれている。…

※「紅亜鉛鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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