20世紀西洋人名事典 「フランツカフカ」の解説
フランツ カフカ
Franz Kafka
1883.7.3 - 1924.6.3
ドイツの作家。
プラハ(チェコ)生まれ。
プラハ大学在学中にマックス・ブロートと交流を持ったことから、文学への関心を高めた。卒業後、傷害保険局で公務員として勤務しながら、創作を始める。その間の作品には、社会主義、無政府主義、東ユダヤ文化などへの傾斜がうかがえる。1917年から肺結核を患い、’22年には公務員を辞め、自由の身となったのも束の間、’24年ウィーン郊外のサナトリウムで死去。遺稿管理者のブロートがカフカの遺志に反し次々と遺作を発表、全世界にカフカ・ブームが生じた。有名な「変身」(’15年)など、日常性の写実主義的な描写のうちに無気味なものを交えるその作風は、「魔術的レアリスム」と呼ばれている。その他の主な作品に「田舎医者」(’19年)、「審判」(’25年)など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報