日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリータウン」の意味・わかりやすい解説
フリータウン
ふりーたうん
Freetown
西アフリカ、シエラレオネの首都。人口82万2000(1999推計)。シエラレオネ半島の突端に位置し、シエラレオネ川が注ぐ深い入り江を有する天然の良港で、同国の主要港となっている。パーム、コーヒー、ココアや鉄鉱石、クロム鉱などを輸出し、船舶修理、ダイヤモンド研磨、水産物加工などの工業も発達している。近くにルンギ国際空港がある。1792年イギリスの奴隷廃止論者グランビル・シャープGranville Sharp(1735―1813)が解放奴隷の入植地として建設し、彼の創立したシエラレオネ会社がイギリス、カナダ南東部、西インド諸島などから解放奴隷を移住させた。1808年にイギリスの直轄植民地になってからは、奴隷貿易禁止を監視するイギリス海軍の基地となり、大西洋上で解放された奴隷の安住の地として発展した。解放奴隷の子孫はクレオールとよばれ、のちにフリータウン市政の中心グループを形成した。1827年西アフリカ最初の高等教育機関フーラーベイ・カレッジ(現、シエラレオネ大学)が設置された。
[中村弘光]