日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラックウェル」の意味・わかりやすい解説
ブラックウェル
ぶらっくうぇる
Elizabeth Blackwell
(1821―1910)
アメリカにおける最初の正式の女性医師。女性運動においても先駆者的な役割をなし、女性の地位向上に努めた。イギリスのブリストルに生まれる。1832年アメリカに移住、医学を志したが、女子なるがゆえに17の学校で断られた。1847年ニューヨーク州のホバート・カレッジに入学し、1849年卒業、女性で最初の有資格の医師となった。ヨーロッパに渡り、パリのマテルニテ病院や、ロンドンのセント・バーソロミュー病院で研修を行い、この際ナイチンゲールとも会った。1851年ニューヨークに戻り、1857年ニューヨーク女性・小児病院を創始、さらに女子医大・看護学校の設立を援助した。1875年、イギリス最初の女子医大(ロンドン)の教授となった。予防医学に関心をもち、女性運動に力を入れて、女権拡張問題についての論著を出した。
[長門谷洋治]