ブラックマー(読み)ぶらっくまー(その他表記)Richard Palmer Blackmur

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラックマー」の意味・わかりやすい解説

ブラックマー
ぶらっくまー
Richard Palmer Blackmur
(1904―1965)

アメリカの批評家。文学作品を経験に形式を与える営みと考え、経験と形式との関係を強調したのでニュー・クリティシズム新批評)派の一人とみなされたが、批評が自律性をもとうとする傾向には警告を発し、批評はさまざまな分野における知識を利用した総合判断であると規定した。こうした批評論を展開した『批評家の仕事』(1935)はとくに有名。評論集に『二重行為者』(1935)、『身振りとしての言語』(1952)、『獅子(しし)と蜂(はち)の巣』(1955)、『ヨーロッパ小説論』(1964)などがある。

[森 常治]

『篠田一士監訳『ヨーロッパ小説論』(1975・白水社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラックマー」の意味・わかりやすい解説

ブラックマー
Blackmur, Richard Palmer

[生]1904.1.21. マサチューセッツスプリングフィールド
[没]1965.2.2. ニュージャージー,プリンストン
アメリカの批評家,詩人。正規の大学教育は受けなかったが,文芸誌『猟犬角笛』 Hound and Hornの編集にたずさわったのち,1940年から終生プリンストン大学で教えた。評論集には新批評の代表的な実践書『二重の作因』 The Double Agent (1935) ,『身ぶりとしての言語』 Language as Gesture (52) ,『ライオンと蜂の巣』 The Lion and the Honeycomb (55) ,詩集に『ヨルダン歓喜から』 From Jordan's Delight (37) 。

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