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新批評 しんひひょう New Criticism

翻訳|New Criticism

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

新批評
しんひひょう
New Criticism

1940年代から 50年代にかけて,アメリカ批評界に大きな力をふるった批評方法で,作品を完成された有機的世界とみることによって,作家の伝記,社会的政治的背景,文学史的関連などから切り離して,おもに形式面から厳密かつ客観的な分析を試みる審美主義的な批評態度。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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大辞林 第三版の解説

しんひひょう【新批評】

文芸批評において、外的基準によらず作品自体の客観的分析に主眼を置く立場。米国の J = C =ランサム(1888~1974)らが提唱。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新批評
しんひひょう
New Criticism英語
Nouvelle critiqueフランス語

文学評論の分野で、19世紀的な作品観を否認した「新しい批評」とよばれる立場であり、アメリカとフランス語圏で別個に展開した。[相沢照明]

アメリカ

アメリカの新批評は、1930年代から1950年代にかけて評論界の主流を占めた。名称の由来は、J・C・ランサムの著書『新批評』New Criticism(1941)にある。代表者は、ランサムと彼の弟子のA・テート、R・P・ウォーレン、C・ブルックスの4人と、ブラックマー、K・バーク、ウィンターズYvor Winters(1900―1968)、ウィムザットWilliam Kurtz Wimsatt Jr.(1907―1975)らであり、彼らの拠点は、『フュージティブ』The Fugitive(1922~1925)、『サザンレビュー』The Southern Review(1935~1942)、『ケニオンレビュー』The Kenyon Review(1939~1970)などの雑誌である。新批評家は、印象批評や作家の伝記的研究を退け、文学を文学として研究することを目ざし、イメジャリimagery、隠喩(いんゆ)、象徴などを微視的に分析して、対立する局所的テクスチュアを含むストラクチュア(ランサム)、エクステンション(外延)とインテンション(内包)からなる全体的テンション(テート)、アイロニーやパラドックス(ウォーレン、ブルックス)などの詩作品に特有な有機的構造を重視した。それらの主張の基底には、科学的世界とは異なる詩的世界の独自性を主張しようとする姿勢が存在している。このような立場の先駆として、「詩をまず詩として考える」べきであるとしたT・S・エリオット、意味に重層的構造を認めたI・A・リチャーズ、詩的言語の多義性を分析したエンプソンがおり、新批評に多大な影響を与えたとされている。なお、ブルックスとウォーレンによる啓蒙(けいもう)書『詩の理解』(1938)、『小説の理解』(1943)、『現代修辞学』(1949)は、新批評の方法論を広めるのに大いに貢献した。[相沢照明]

フランス語圏

内在批評を旨とするフランス語圏の新批評は、20世紀中葉に台頭し、解釈の自由と批評の創造性を主張した。とくに、R・バルトが歴史的考証を抜きにしてラシーヌを論じたことに対し、アカデミックなラシーヌ学の大御所ピカールが『新しい批評か、新しい詐欺か』Nouvelle critique ou nouvelle imposture(1965)によって攻撃を加えたことにより、新批評は文壇の関心をひきつけた。しかし、「ヌーベル・クリティック」という呼び名は、共通の理念のもとに形成された特定の流派をさすわけではなく、言語論、マルクス主義、構造主義、精神分析、現象学などの成果を取り入れた多彩な批評活動の総称にすぎない。通常ヌーベル・クリティックとみなされる批評家には、先駆者としてのバシュラール、レーモン、ベガンをはじめ、モーロンCharles Mauron(1899―1966)、ゴルドマンらがいるが、もっとも中心的な存在は、プーレに代表される新しいジュネーブ学派と、構造主義的立場の旗手バルトである。前者は、作品の深奥に現れる作家の内的意識に分け入ることにより、作家の時間、空間意識(プーレ)、純粋な感覚的イマージュ(リシャール)、変身と装飾のテーマ(ルーセJean Rousset、1910― )、作家の意識に現れる他者の視線(スタロビンスキーJean Starobinski、1920― )などの、隠された根源的テーマを抽出したが、それらは、テーマ批評の名称のもとに、ヌーベル・クリティックの重要な側面を示している。他方、バルトは、書くことの意味や批評のあり方を問い直すことから出発して、記号論的方法を文化現象に適用することに関心を移していったが、ジュネットやクリステバらは言語論の領域で、活発な批評活動を行っている。[相沢照明]
『アレン・テイト著、福田陸太郎訳『現代詩の領域』(1960・南雲堂) ▽C・ブルックス著、猪俣浩・大沢正佳訳『現代詩と伝統』(1960・南雲堂) ▽ジョルジュ・プーレ著、井上究一郎他訳『人間的時間の研究』(1969・筑摩書房) ▽ジョルジュ・プーレ著、井上究一郎訳『人間的時間の研究 内的距離』(1977・筑摩書房) ▽ジャン・ピエール・リシャール著、有田忠郎訳『詩と深さ』(1969・思潮社) ▽ジャン・ルーセ著、伊東広太他訳『フランスバロック期の文学』(1970・筑摩書房) ▽ジャン・スタロバンスキー著、大浜甫訳『活きた眼』(1971・理想社) ▽ジャン・スタロバンスキー著、調佳智雄訳『活きた眼 批評の関係』(1973・理想社) ▽ロラン・バルト著、渡辺淳他訳『零度のエクリチュール』(1971・みすず書房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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