日本大百科全書(ニッポニカ) 「スプリングフィールド」の意味・わかりやすい解説
スプリングフィールド(アメリカ合衆国、イリノイ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield
アメリカ合衆国、イリノイ州中部、サンガモン川沿岸にある同州の州都。人口11万1454(2000)。行政面ばかりでなく、同州の商業、医療の中心地でもあり、保険会社が集中する保険業の中心都市としても知られる。周辺は農業地帯が広がり、石炭産地がある。また工業も発達している。1818年に入植が始まり、32年に町制が敷かれた。1837年に州都の地位を確保できたのは、同市になじみの深いアブラハム・リンカーンの力によるところが大きく、その後の市の急速な発展には目を見張るものがある。リンカーンは37年から61年まで同市に住み、妻と3人の息子と一緒にオーク・リッジ墓地に埋葬されている。リンカーン・コレクションをもつ州立歴史図書館をはじめ、市内の至る所に彼を記念する建物、遺品が保存されており、彼の居住した家は、多くの遺品とともに殿堂として保存される。
[作野和世]
スプリングフィールド(アメリカ合衆国、マサチューセッツ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield
アメリカ合衆国、マサチューセッツ州南西部、コネティカット川東岸の工業都市。人口15万2082(2000)。輸入港、交通の要地でもあり、工業の発達した活気のある都市である。同時に文化的にも優れ、落ち着きをみせる。工業は、化学、プラスチック、電機製品、玩具(がんぐ)製造や印刷業がその中心をなす。1636年に町が設立され、一時反奴隷制協同地下組織の本拠地となった。1794年から1966年までここにスプリングフィールド銃を製造した合衆国最古の兵器廠(しょう)が置かれ、都市の急速な発展を促す大きな要因となった。静かな美しい都市には森林公園や美術館、博物館などの施設も多く、スプリングフィールド大学が教育の中核となる。世界的に有名なメリアム社の『ウェブスター辞典』出版の地でもある。
[作野和世]
スプリングフィールド(アメリカ合衆国、オハイオ州)
すぷりんぐふぃーるど
Springfield
アメリカ合衆国、オハイオ州中西部の都市。人口6万5358(2000)。豊かな農業地帯を後背地にもち、交通の要地であり、工業も発達する。とくに1800年代末期に始まった農業機械・器具生産は、現在も同市の伝統産業および主産業として重要である。その他、紙、ゴム製品、鉄鋼製品や出版業、花卉(かき)栽培も盛ん。農業主体から工業化へ転換の契機となったのは、19世紀初期から中期にかけてのマイアミ―エリー運河、国道、鉄道の開通や工業原料入手が比較的容易であったことなどによる。
[作野和世]