日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルゲンラント」の意味・わかりやすい解説
ブルゲンラント
ぶるげんらんと
Burgenland
オーストリア東端部にあり、スロバキア、ハンガリー、スロベニアと国境を接する州。面積3965平方キロメートル、人口27万8600(2001)。州都はアイゼンシュタット。アルプスが高度を減じ、ハンガリーの低地に移行する部分にあたり、低い山地・丘陵と、ノイジードラー湖を囲む低地からなる。第一次世界大戦までハンガリー領であったため、人口の約10%はクロアチア人、マジャール人、ロマからなり、新教徒の割合も14%と他州の平均の倍以上である。内陸性の気候に恵まれた農業地域であるが、小規模経営であるため、ウィーンを市場とする北部を除けば、商品化は後れている。気候が乾燥しているので良質のワインを産する。トルコをはじめ東方諸民族の侵入を防ぐ地であったため、多くの城(ブルゲン)を残しており、州名はこれに由来する。
[前島郁雄]