ブロニエフスキ(英語表記)Władysław Broniewski

改訂新版 世界大百科事典 「ブロニエフスキ」の意味・わかりやすい解説

ブロニエフスキ
Władysław Broniewski
生没年:1897-1962

ポーランド最大の革命詩人。1920年代半ばにヒューマニスティックな社会的・政治的主題の詩で左翼詩人として文壇に登場した。第2次世界大戦中は〈詩人すなわち巡礼者,兵士〉というロマン主義の伝統に立ち返って敵との容赦ない戦いを説いた。戦後社会主義リアリズムによる労働の詩を発表したが,しだいに再びロマン主義的特徴の濃い詩に戻り,ポーランドの大地や妻と娘の死をうたった。平明で力強いリズムに満ちた詩は好んで読まれた。代表作に《パリコミューン》(1929),《最後の叫び》(1939),《絶望する木》(1945),《アンカ》(1956)などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロニエフスキ」の意味・わかりやすい解説

ブロニェフスキ
Broniewski, Władysław

[生]1897.12.17. プウォツク
[没]1962.2.10. ワルシャワ
ポーランドの詩人。2度にわたる大戦とドイツ軍の占領を体験し,革命と社会主義をたたえた。詩集風車』 Wiatraki (1925) ,『心労と歌』 Troska i pieśń (32) ,『最後の叫び』 Krzyk ostateczny (38) ,『悲しみの木』 Drzewo rozpaczające (45) ,『希望』 Nadzieja (51) ,『アンカ』 Anka (56) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロニエフスキ」の意味・わかりやすい解説

ブロニェフスキ
ぶろにぇふすき
Władysław Broniewski
(1897―1962)

ポーランドの詩人。革命的叙情詩の代表者。プウォツコに生まれる。愛国的知識人の家に生まれ、大戦間期のポーランド左翼運動に積極的に参加、二度の世界大戦と占領下の体験を通して美しいリリシズムで革命を歌い上げた。1939年当時のソ連へ移り、スターリン時代に逮捕された経験をもつ。46年帰国。詩集に『風車(ふうしゃ)』(1925)、『心労と歌』(1933)、『悲しみの木』(1945)、『希望』(1951)、『アンカ』(1956)などがある。

[吉上昭三]

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