プライス(読み)ぷらいす(英語表記)Cedric Price

デジタル大辞泉 「プライス」の意味・読み・例文・類語

プライス(price)

値段。価格。また、物価・相場。「プライスコントロール」「プライスカード」

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精選版 日本国語大辞典 「プライス」の意味・読み・例文・類語

プライス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] price ) 値段。価格。また、相場。〔舶来語便覧(1912)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プライス」の意味・わかりやすい解説

プライス(Cedric Price)
ぷらいす
Cedric Price
(1934―2003)

イギリスの建築家、都市計画家。スタッフォードシャー県生まれ。1955年ケンブリッジ大学卒業。1957年ロンドンのAAスクール(Architectural Association School)修士課程修了。1958~1964年AAスクール講師。1960年自らの建築設計事務所を設立。1969年、建築設計事務所「ライト・ウェイト・エンクロージャーズ・ユニット」を共同設立。

 プライスによる初めての大規模な作品はファン・プレース(計画案。1961、ロンドン)である。ロンドン東部、現在のドックランドにジャムセッションやダンス、科学ショー、遊園地、科学映画の上映、演劇ワークショップ、音楽ワークショップなどを行う文化的娯楽施設を計画したジョアン・リトルウッドJoan Littlewood(1914―2002、王立劇場シアターワークショップの創立者)が依頼者である。プライスはこれに応えてディズニーランドのような受動的な娯楽施設ではなく、来場者がポジティブに活動を創造できる仕掛けを、開放的な構造体のなかに計画した。鉄骨構造によるフレーム中にはクレーンで動く音響設備や可動壁、床、天井や廊下や斜路、スクリーンやエアカーテンなどの設備を組み込んだ。このアイデアやコンセプトは、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャーズによるポンピドー・センター(1971~1977、パリ)や磯崎新(あらた)の日本万国博覧会お祭り広場の装置(1970、大阪)などに引き継がれて実現した。

 ポタリーズ・シンクベルト(計画案。1965、スタッフォードシャー県北部)の敷地は陶磁器産地の郊外であり、プライスの生まれた地である。ネットワークを中心にした教育施設の計画であるが、大学とよばずにシンクベルト(シンクタンクをもじった命名)とよんで、教育システムまでを計画した。また、このシンクベルトではハウジング、交通のインフラストラクチャーをはじめ、プレハブによる工法も計画した。

 ジェネレーター(1976)は住人のアクティビティで簡単に変化し、拡張できる居住ユニットの提案である。コンピュータのメモリーと同じように、生活空間を自由に書き込んだり消したりできるようにデザインされた。ユニットは状態を変化させ集合することも可能で、計画では生活の時間や状況の変化への対応をさまざまにシミュレーションした。

 プライスの建築は工業テクノロジーを大胆に採用したことから、未来主義的建築の祖と見られることが多い。しかしプライスが採用するテクノロジーは、常に硬直化した建築の空間や殻を突き破るためのものであり、また、建築によって権威づけられた組織や制度を壊すために用いられた。一方、アーキグラムアーキズームに比べて、実際的な工法や精緻なシミュレーションモデルが特徴的である。その点から現代の情報ネットワーク時代の建築や都市に対しても有効なヒントを与え続けているといえる。

 プライスの実現した建築でもっとも有名な作品はロンドン動物園の鳥類園(1961)である。鋼管性の四角錐をケーブルのテンションで浮遊させた「テンセグリティtensegrity構造」(張力と圧縮する力との結合によって、バランスのとれた一つの単位として機能する構造体のこと。バックミンスター・フラーによって提唱された概念)によるケージ(檻)を採用し、大胆だがけっして観客の邪魔にならない、プライスの建築家としての実力を見せつける建築である。

 プライスの建築や都市に対する可変性や無限定性はフレデリックキースラーの「終わりのない(endless)」空間構想を拡張したと評価され、2002年度オーストリアのフレデリック・キースラー賞を受賞した。

[鈴木 明]

『Cedric Price; Architectural Association Works 2 (1984, Architectural Association, London)』『Cedric Price, with Arata Isozaki, Patrick Keiller, Hans Ulrich ObristRe: CP (2002, Birkhäuser, Boston)』


プライス(Richard Price)
ぷらいす
Richard Price
(1723―1791)

イギリスの牧師、思想家。神の意志を認識し、その徳を実践することにより世界の調和が可能となるとして、ヒュームを批判した処女作『道徳の主要問題』A review of the principal questions in morals(1757)で、シェルバーン伯爵の知遇を得る。以後、政治的には同伯爵の路線にたち、穏健な議会改革、重商主義的貿易統制批判、小農保護を主張し、外交的にもアメリカ独立とフランス革命とを擁護した。プリーストリーとは長く親友であったし、女性の地位向上を訴えたウルストンクラフトM. Wollstonecraft(1759―1797)に、影響を与えている。人口論や年金論の基礎的推計資料を作成して、一時各方面で採用された。フランス革命論はE・バークの批判を誘発したが、反批判はしなかった。

[永井義雄]

『プライス著、永井義雄訳『市民的自由』(1963・未来社)』『プライス著、永井義雄訳『祖国愛について』(1966・未来社)』


プライス(Leontyne Price)
ぷらいす
Leontyne Price
(1927― )

アメリカのソプラノ歌手。ミシシッピ州ローレル生まれ。1949年奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院に学び、52年からガーシュインのオペラ『ポーギーとベス』の巡回公演に参加、各地でベス役を歌った。55年プッチーニのオペラ『トスカ』の主役で成功。以後、指揮者カラヤンの推薦で、ヨーロッパの主要歌劇場でベルディの『アイーダ』『トロバトーレ』に出演、70年代末ごろまで豊かな声、とくに高音域の声の美しさなどで名声を博した。その後オペラにかわってリサイタルを増やし、85年のメトロポリタン歌劇場における『アイーダ』公演を最後にオペラの舞台からは引退した。彼女は「黒いプリマ」とよばれ、黒人歌手のオペラ界における地位向上に重要な役割を果たした。

[美山良夫]

『ピエール・マリア・パオレッティ著、南条年章訳『スカラ座の人』(1988・音楽之友社)』『スカイラー・チェイピン著、ジェームズ・ダニエル・ラディチェス写真、藤井留美訳『わが友、すばらしきオペラの芸術家たち』(1998・フジテレビ出版)』『Joseph D. McNairLeontyne Price(2000, Child's World, Chanhassen)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プライス」の意味・わかりやすい解説

プライス
Price, Vincent

[生]1911.5.27. ミズーリ,セントルイス
[没]1993.10.25. カリフォルニア,ロサンゼルス
アメリカ合衆国の俳優。フルネーム Vincent Leonard Price。アメリカのホラー映画界を代表する俳優の一人。製菓会社のオーナーを父に,ベーキングパウダーの発明者を祖父にもつ。1933年エール大学を卒業。美術の修士号取得を目指してロンドン大学に入学するが,まもなく芝居への興味が芽生えて俳優の道に進んだ。1934年にロンドンで初舞台を踏んだのち,ブロードウェーに移る。1938年映画デビュー。初期の 3D映画(立体映画)の一つ『肉の蝋人形』House of Wax(1953)で大躍進のチャンスをつかみ,ホラー映画の帝王としての地位を確立。『蝿男の恐怖』The Fly(1958),『地獄へつゞく部屋』House on Haunted Hill(1958)などで次々とヒットを飛ばし,ホラー映画の人気復活に貢献した。1960年代は,エドガー・アラン・ポーの短編を原作としたロジャー・コーマン監督の一連の作品に出演。『アッシャー家の惨劇』The House of Usher(1960)などで観客を恐怖に陥れた。美術品の収集家としても知られ,1951年にはイーストロサンゼルス・コミュニティー・カレッジにコレクションの多くを寄贈。また,2番目の妻と共著で料理の本を数冊出版し,料理番組にも出演した。

プライス
Price, Richard

[生]1723.2.23. グラモーガン,ティントン
[没]1791.4.19. ロンドン近郊
イギリスの非国教徒の知的・政治的指導者。最初長老派の牧師をつとめ,道徳論を著わした。その後,財政・政治問題を論じ,1770年代国債削減を主張,アメリカとの戦争に反対。 B.フランクリンの友人で A.テュルゴーとも文通し,シェルバーン (伯)の庇護を受けた。 1789年 11月4日フランス革命をたたえイギリスの名誉革命体制を批判する説教を行い,E.バークによって『フランス革命に関する省察』のなかで非難された。

プライス
Price, Thomas

[生]1852.1.19. イギリス,ブリンボ
[没]1909.5.31. オーストラリア,ホーソン
オーストラリアの政治家。イギリス,リバプールのペニー・スクールを卒業後,石工となり,1883年にサウスオーストラリアに入植。石工煉瓦工組合書記長(1891~93)などを務め,1893年政界に入り,1901年サウスオーストラリア労働党の党首となり,労働運動を指導。1905~09年サウスオーストラリア州首相,在任中はオーストラリアで最初の安定した労働党政権を担った。

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百科事典マイペディア 「プライス」の意味・わかりやすい解説

プライス

英国の非国教徒の牧師,ユニテリアン派に属す。対アメリカ政策を市民の自由と宗教上の寛容の視点から批判し,名声を集めた。1789年11月4日,名誉革命100周年を記念する〈大ブリテン革命記念協会〉の集会で,名誉革命の不徹底性を批判し,おりから進行中のフランス革命に対して連帯の挨拶を送った。この講演が《祖国愛について》という題で公刊されるや,フランス革命に対する賛否両論の立場から激しい反応を引き起こした。とりわけプライス博士の説に真っ向から反対したのが,バークの《フランス革命の考察》であって,以後ウォルストンクラフト,ペインらの参加した一連のはげしい論争が展開された。

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改訂新版 世界大百科事典 「プライス」の意味・わかりやすい解説

プライス
Richard Price
生没年:1723-91

イギリスの非国教徒牧師,著述家。市民的自由と宗教上の寛容を唱道し,とくに1789年11月4日,〈大ブリテン革命記念協会〉の名誉革命100周年を記念する集会において,フランス革命をたたえた講演は大きな反響を呼んだ。同年その内容が《祖国愛について》の表題でパンフレットとして出版されると,フランス革命賛否をめぐるE.バークやT.ペインらの一連の論争の発端となった。
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FX用語集 「プライス」の解説

プライス

外国為替市場で取引される為替レートのことをいいます。例えば現在、「120.15-20」のプライスだとすると、インターバンクの為替ディーラーやブローカー(外国為替取引の業者)のやり取りでは、そのレートを告げる際に下2桁だけを「イチゴー、ニーマル」と読み上げます。

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流通用語辞典 「プライス」の解説

プライス【price】

9Pのひとつ。どのような販売価格でいくべきかの方針である。想定する価格は競合に対して競争力があるかどうか、その価格での販売可能性はどれくらいか、利益優先の価格政策か、売上優先の価格政策か、など検討し、価格を決定すること。

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