翻訳|line printer
コンピューターの出力用印字装置として,1行単位に印字動作を行うプリンター。これに対し,1文字ずつ印字するものをシリアルプリンターserial printerという。ラインプリンターは高速印字に適する。活字をドラム上に配列したドラムプリンター,ベルトまたはチェーン上に配列したベルトプリンターあるいはチェーンプリンターが代表的である。ドラムプリンターでは用紙の前に活字ドラムとインクリボン,後ろに印字ハンマーを備えている。印字ドラムは円周上に印字できる全字種を並べ,この活字列が印字幅の分だけ並べられている。印字ハンマーは各印字位置に対応して配置されており,ドラムが一周する間で印字しようとする文字がハンマーの前を通過する瞬間に用紙をたたいて印字する。したがってドラムが1回転する間に1行分の印字が完了することになる。
ベルトまたはチェーンプリンターでは,活字がベルトまたはチェーンの上に配列されており,用紙の前を横方向に走行している。ドラムプリンターと同様に印字しようとする文字がハンマーの前を通過する瞬間に用紙をたたいて印字する。ベルトには通常2組から4組の活字が並んでいるのでベルトが1/2~1/4周したとき1行の印字動作が完了する。
この方式のプリンターでは印字可能な文字の種類が少ないほど高速に印字できる。また印字可能文字種の最大数が制限されるので,漢字の印字には使用できない。漢字の印字が可能なラインプリンターにはドットラインプリンターdot line printerがある。これでは,ハンマーで駆動されるピンが横一列に並んでおり,ドットパターンで文字を印字する。この方式は印字速度は遅いが文字のドットマトリックスパターンを準備すれば印字文字種を自由に選択できる特徴がある。
執筆者:林 英治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
コンピュータの出力装置の一つで、紙の上に文字を1行ずつ印刷できる機械をいう。行印字装置ともよぶ。現在では、図形なども容易に出力できるバブルジェット方式やレーザー方式のプリンターなどにとってかわられ、ほとんど姿を消した。活字や紙をハンマーで機械的にたたいて印字するインパクト方式と、ハンマーによらないノンインパクト方式とがあった。
インパクト方式では、紙の幅と同じ長さの活字ドラムを高速で回転させ、印字したい文字がハンマーの前にきた瞬間にインクリボンを挟んで紙をたたく形式が一般的である。この形式では、印字位置の1桁(けた)ずつに1組の活字とハンマー1個が用意される。活字を植えたチェーンを紙の前で回転させる形式もある。
ノンインパクト方式では、用紙自身が発色物質を含んでいるものとして、感光紙に光で記録する写真方式、感熱紙に熱で書き込む熱記録方式、放電破壊紙を用いる方式などがある。
[大野義夫]
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…1970年代には高温で発色する感熱紙に熱で文字を書く感熱プリンターが普及したが,80年代にはリボンのインクを熱を使って紙に転写する熱転写プリンター,90年代に入ってインクを紙に噴出するインクジェットプリンターが普及した。 プリンターはまた,文字を逐次に印刷するシリアルプリンター,行単位で印刷するラインプリンター,ページ単位で印刷するページプリンターに分類される。シリアルプリンターは印刷速度が低速だが低価格なものが多い。…
※「ラインプリンター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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