改訂新版 世界大百科事典 「プリーツ加工」の意味・わかりやすい解説
プリーツ加工 (プリーツかこう)
pleating
スカート,ブラウス,ズボン,飾りレースなどに,雨などで簡単にとれることのないひだ(プリーツ)を付ける加工。熱可塑性の合成繊維はヒートセットにより耐洗濯性のあるパーマネントプリーツが得られる。毛織物の場合はアイロン掛けでつけたひだは耐久性がない。オーストラリアの連邦科学産業機構(CSIRO)で開発されたシロセットSiroset加工は,毛織物を還元性セット剤の存在下で蒸熱してひだを与える方法であり,羊毛のシスチン残基のジスルフィド架橋結合が還元により切断され,その状態でひだの形がセットされるものである。ズボンの場合はホフマン型プレスで折目をつけ,スカートの場合は型紙とともに折りたたみ,オートクレーブ中で蒸熱したあと乾燥する。セット剤として,当初はチオグリコール酸アンモニウムが用いられていたが,現在ではモノエタノールアミンの亜硫酸塩などが用いられている。
執筆者:坂本 宗仙
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報