プルメリア(その他表記)frangipani
Plumeria rubra L.

改訂新版 世界大百科事典 「プルメリア」の意味・わかりやすい解説

プルメリア
frangipani
Plumeria rubra L.

キョウチクトウ科常緑低木和名インドソケイ。径5cmくらいの花冠の先が5片に分かれた淡紅あるいは赤色の美しい花をつけ,よい香りがする。庭木としても熱帯地方では広く植えられ,花弁は厚く花もちもよいので,ハワイなどではレイによく使われる。原産地は西インド諸島メキシコからベネズエラ。高さ3~4mで枝は多くつき,新梢は太く肉質である。葉も肉質で倒卵形または長楕円形で,長さ30cm,幅8cmくらい。葉脈は目だち,葉色は濃い。枝葉を傷つけると有毒な白い液汁が出る。品種改良によってさまざまな色の花が見られるようになった。近縁種に白花のシロバナインドソケイP.alba L.,白花で中心が黄色P.obutusa Bert et A.DC.などがある。繁殖挿木によるが,発根しやすい。日当りをよくし排水のよい所に植える。冬は15℃以上保つようにし,灌水をひかえる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プルメリア」の意味・わかりやすい解説

プルメリア
ぷるめりあ
[学] Plumeria

キョウチクトウ科(APG分類:キョウチクトウ科)インドソケイ属(プルメリア)の総称。低木または高木。茎は多肉質で折れやすく、白色の乳液を分泌する。乳液は有毒であるが、薬用にもなる。冬は落葉し、春に新芽が出てから開花し始めるのが普通であるが、熱帯では常緑で四季咲きとなる。熱帯アメリカに12種分布する。インドソケイP. rubra L.は、葉は茎頂に固まってつき、長楕円(ちょうだえん)形で長さ40~50センチメートルになる。花は赤色で中心が黄色の管状花で径5~8センチメートル。花弁は5枚で芳香が強く、ハワイやタヒチではレイに好んで使われる。花に変異が多く、アクチフォリアforma acutifolia Woodsonは白色で中心は黄色、ときに桃色を帯びる。ルテアforma lutea Woodsonは白色で中心が濃黄色、ときに外面が桃赤色を帯びる。そのほかにも、園芸品種が多い。熱帯の仏教寺院によく植栽される。繁殖は、春から夏にかけて挿木で行う。乾燥に耐え、サボテンと同様の管理でよく育つ。夏は日当りのよい戸外でよく開花する。

[高林成年 2021年6月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プルメリア」の意味・わかりやすい解説

プルメリア
Plumeria

キョウチクトウ科プルメリア (インドソケイ) 属の植物の総称で,西インド諸島,中央・南アメリカに約 50種知られる。美しい花と樹形を観賞するため,世界の熱帯地域で広く栽培される。落葉または常緑の高木または低木で,葉や茎を傷つけると乳汁を分泌し有毒である。花は集散花序をなしてつき,花冠は漏斗形で5片に分れ,多くは芳香がある。代表的な種類としてはインドソケイ P. rubra,シロバナインドソケイ P. albaなどがあり,ハワイではレイをつくる花として有名である。

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百科事典マイペディア 「プルメリア」の意味・わかりやすい解説

プルメリア

インドソケイとも。中米,西インド諸島原産のキョウチクトウ科の常緑高木で,インドやミャンマーで寺院などに多く植えられている。高さ5〜7m,枝端に集散花序をつけ,花弁が厚く径5cmほどの漏斗(ろうと)状で芳香の強い美しい花を開く。花色は淡紅〜赤色を基本として,白や黄色も見られる。また,栽培品には交雑種も多い。冬は最低10〜15℃の保温が必要。ハワイのレイの材料として有名。

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