日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベイスギ」の意味・わかりやすい解説
ベイスギ
べいすぎ / 米杉
western red cedar
giant thuya
[学] Thuja plicata Donn ex D.Don
ヒノキ科(分子系統に基づく分類:ヒノキ科)の常緑針葉大高木。アメリカネズコ、プリカータネズコともいう。大きいものは高さ60メートル、径4メートルに達する。樹冠は円錐(えんすい)形で、先端はとがる。樹皮は赤褐色、薄く鱗片(りんぺん)状にはげる。葉は卵形の鱗片状で先は鋭くとがり、裏面は暗緑色である。冬季は黄褐色に変わる。枝葉に香気がある。雌雄同株。球果は長卵形で長さ1~2センチメートル、9~10月に褐色に成熟する。アメリカ西海岸地方原産で、ブリティッシュ・コロンビア、アラスカのシトカ、バンクーバーなどに多く、渓谷や湿地でよく育つ。日本にも種子が入り、見本的に植えられているが、類似種のニオイヒバより耐寒性が低く、生育が悪い。材はいわゆる米材として輸入され、建築、器具、土木用材などにする。
[林 弥栄 2018年6月19日]