ベトナム共和国(読み)ベトナムきょうわこく

百科事典マイペディア 「ベトナム共和国」の意味・わかりやすい解説

ベトナム共和国【ベトナムきょうわこく】

1954年のジュネーブ協定により,ベトナムの北緯17度線以南を領土とした国。〈南ベトナム〉と略称ベトナム戦争の結果1976年6月,17度線以北を占めていたベトナム民主共和国に統合されて現在のベトナム社会主義共和国が成立した。インドシナ戦争中の1949年,フランスとの協定に基づきコーチシナを中心にグエン(阮)(げん)朝最後の皇帝バオダイ元首とするベトナム国が成立。ジュネーブ協定の翌1955年ゴ・ディン・ジェム大統領になりベトナム共和国が発足。その後クーデタによる政権交代が相次ぎ,南ベトナム解放民族戦線が次第に勢力を増し,政府・軍は腐敗,1976年6月ベトナム民主共和国と解放戦線による解放が実現した。→ベトナム

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ベトナム共和国」の解説

ベトナム共和国(ベトナムきょうわこく)
Viet Nam Cong Hoa

1955~75

ベトナム戦争の期間中,北緯17度線以南の南ベトナムに存在した体制アメリカ支援を受けた反共政権を擁した。ゴ・ディン・ジエムが,バオダイを国家元首から追放して樹立。63年のジエム政権崩壊後は不安定な状況が続いたが,65年から75年まではグエン・ヴァン・ティエウ(チュー)政権が続いた。75年4月のサイゴン攻略により崩壊した。

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世界大百科事典(旧版)内のベトナム共和国の言及

【ベトナム】より

…東南アジア唯一の中国文化圏であり,その意味では東アジアの東南端ともいえる。第2次大戦前はフランスの植民地,戦時中は日本軍の進駐を経て,戦後対仏独立戦争(第1次インドシナ戦争)ののちも,国土はベトナム民主共和国とベトナム共和国に分断され,アメリカ軍の干渉によって15年にわたる第2次インドシナ戦争を戦わされたが,1976年統一され,単一の社会主義共和国を形成した。かつては越南と呼ばれた。…

※「ベトナム共和国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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