日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルチェ鉱」の意味・わかりやすい解説
ベルチェ鉱
べるちぇこう
berthierite
硫塩鉱物の一つ。鉄のみを主成分とする2種のうちの一つ。もう1種類は近縁種のガラベッリ鉱garavellite(化学式FeSbBiS4)。マンガン置換体クレル鉱との中間物もある。各種熱水鉱脈鉱床中に産し、輝安鉱などとよく共存する。自形は斜方柱状で、これが放射状など集合体を形成する傾向がある。虹(にじ)色に錆(さ)びやすい。日本では兵庫県養父(やぶ)市中瀬鉱山(閉山)のものが有名。多量に存在すれば、アンチモンの鉱石鉱物となる。英名はフランスの地質学者ベルチェPierre Berthier(1782―1861)にちなむ。
[加藤 昭 2018年7月20日]
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