ベードヌイ(その他表記)Dem'yan Bednyi

改訂新版 世界大百科事典 「ベードヌイ」の意味・わかりやすい解説

ベードヌイ
Dem'yan Bednyi
生没年:1883-1945

ロシア・ソ連邦の詩人本名はプリドボーロフEfim Alekseevich Pridvorov。ヘルソン県に生まれ,ペテルブルグ大学に学ぶ。1911年からデミヤン・ベードヌイ(貧乏なデミヤン)の筆名で詩を書き始め,風刺詩人として活躍した。民謡,流行歌,英雄詩(ブイリーナ)などポピュラーな形式を模して,社会主義建設期の市民の生活や政治・時事問題をとりあげ,十月革命後とくに労働者,兵士の間で大きな人気があった。終生共産党の信頼を受けて機関紙《プラウダ》への寄稿を続けたが,1930年代には戯曲《勇者たち》(1936)で一時スターリンの不興をかったことがある。第2次世界大戦時にはファシズムに抗して愛国的な詩を書いた。代表作に詩集《目抜通り》(1922)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベードヌイ」の意味・わかりやすい解説

ベードヌイ
べーどぬい
Демьян Бедный/Dem'yan Bednïy
(1883―1945)

ロシアの詩人。本名エフィム・アレクセービッチ・プリドボロフЕфим Алексеевич Придворов/Efim Alekseevich Pridvorov。南ロシアの貧農に生まれ、軍隊勤務を経てペテルブルグ大学を卒業。1912年ロシア共産党に入党一連のプロパガンダ詩を『プラウダ』その他の機関紙に書いた。革命後の詩集に『火の輪の中で』(1918)、『約束の地』(1920)、『ひげ同志』(1926)、『英雄的出来事』(1937)などがある。いずれも革命や社会主義建設を平易に歌い、「革命の桂冠(けいかん)詩人」の称がある。

水野忠夫

『佐々木千世訳『ベードヌイ詩集』(『世界名詩集大成13』所収・1960・平凡社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベードヌイ」の意味・わかりやすい解説

ベードヌイ
Bednyi, Dem'yan

[生]1883.4.13. ヘルソン
[没]1945.5.25. モスクワ
ソ連の詩人。本名 Efim Alekseevich Pridvorov。キエフ陸軍看護学校を卒業,陸軍に勤務したのち,ペテルブルグ大学を卒業。 1912年に共産党に入党,党関係の新聞に詩を発表しはじめ,処女詩集『寓意詩』 Basni (1913) 以来,40冊の詩集を残した。

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