ヘルソン(読み)へるそん(英語表記)Harry Helson

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘルソン」の意味・わかりやすい解説

ヘルソン(Harry Helson)
へるそん
Harry Helson
(1898―1977)

アメリカの心理学者。マサチューセッツ州の生まれ。ハーバード大学ボーリングマクドゥーガルの指導を受け、1924年学位をとる。コーネル大学イリノイ大学、ブライアン・マウア・カレッジを経て、第二次世界大戦中は国家国防委員会所属、その後テキサス大学教授、カンザス州立大学教授を歴任。コーネル大学に在職中(1924~1925)、コフカ演習に出てゲシュタルト心理学に興味をもち、その紹介にあたった。研究領域は非常に広いが、一般には、さまざまな判断の基準となる準拠系を研究した順応水準理論の提唱者としてよく知られている。著書に『The Psychology of Gestalt』(1926)、『Adaptation Level Theory : An Experimental and Systematic Approach to Behavior』(1964)などがある。

[宇津木保]


ヘルソン(ウクライナ)
へるそん
Херсон/Kherson

ウクライナ南部、ヘルソン州の州都港湾都市。人口32万8000(2001)、28万7826(2018推計)。黒海に注ぐドニプロ(ドニエプル)川の河口から約20キロメートル上流の三角州頂点に位置する。クリミアミコライウなどと鉄道や道路で結ばれる。港は海陸の貨物積み換え地点として発達した。造船、ボギー台車、電気機器、コンバイン精油、ガラス、繊維、魚缶詰、ぶどう酒醸造など多種の工業がある。市の創立は1778年で、18世紀末建立のスパスキー聖堂が残る。二つの劇場、絵画館、郷土館もある。

渡辺一夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルソン」の意味・わかりやすい解説

ヘルソン
Kherson

ウクライナ南部,ヘルソン州の州都。黒海に注ぐドネプル川の河口より約 25km上流の右岸にある港湾都市。 1778年黒海地方を守るロシアの要塞として建設され,黒海におけるロシア最初の軍港となり,造船所も建設された。 1901年運河により大型外洋船の出入りが可能になり,また革命後ドネプル川の水路が改修されて,全ドネプル流域の海の玄関となった。さらにドネプロペトロフスクとハリコフを結ぶ鉄道路線が開設されて,この沿線諸都市の海港ともなり,著しく発展した。ドネプル流域への石油供給基地であり,造船,コンバイン,製油,木材加工,ガラス,綿織物,食品 (水産物加工,食肉,缶詰) などの工業が発達している。教育大学,農業大学,灌漑農業研究所,歴史・考古学博物館,郷土博物館,州立音楽・演劇場などの教育・文化施設をもつ。鉄道分岐点で,空港もある。人口 36万 5000 (1991推計) 。

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