日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペイジ」の意味・わかりやすい解説
ペイジ(Leroy Robert Paige)
ぺいじ
Leroy Robert Paige
(1906―1982)
アメリカのプロ野球選手(右投右打)。通称サッチェル・ペイジSatchel Paige。大リーグ(メジャー・リーグ)のクリーブランド・インディアンス、セントルイス・ブラウンズ(現ボルティモア・オリオールズ)、カンザスシティ・アスレチックス(現オークランド・アスレチックス)で投手としてプレー。大リーグ入団以前のニグロリーグで数々の伝説を残した快速球投手である。
7月7日、アラバマ州モービルで生まれる。1948年、インディアンスに入団。当時すでに42歳だった。前年にブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)のジャッキー・ロビンソンが登場するまで黒人選手は大リーグではプレーできなかったため、黒人だけのプロ野球組織ニグロリーグで投げていた。全盛期は過ぎており、集客目的の昇格かと思われたが、21試合に登板して6勝1敗、防御率2.48と好投。チームはリーグ優勝し、ワールド・シリーズでもボストン・ブレーブス(現アトランタ・ブレーブス)を破って優勝した。翌49年、4勝7敗に終わると50年は大リーグではプレーせず、51年にセントルイス・ブラウンズへ加入。1952年には12勝と2桁(けた)勝利もあげたが、53年は3勝9敗でふたたび大リーグから姿を消した。その後、2、3年のブランクを空けながらマイナー・リーグで時々プレーしていたが、1965年にアスレチックスで大リーグへ再登場した。59歳となっていたが、3イニングを投げて打たれた安打は1本だけだった。これで大リーグからは引退となったが、60歳の1966年にもマイナー・リーグで1試合だけ登板した。
実働6年間の通算成績は、登板試合179、投球回476、28勝31敗、防御率3.29、奪三振288、完投7、完封4。1971年に野球殿堂入り。
[山下 健]
『サチェル・ペイジ著、佐山和夫訳『伝説の史上最速投手 サチェル・ペイジ自伝』上下(1995・草思社)』