翻訳|pepper
インド、マレーシア、インドネシア、ブラジルなどを主産地とするコショウ(胡椒)の果実で、香辛料として料理にもっとも多く使われる。おもなものに、ブラックペパー(黒こしょう)とホワイトペパー(白こしょう)がある。
ペパーのさわやかな香味、辛味の主成分は、ピペリン、シャビシン、精油であるが、その大部分は外皮に含まれているので、外皮をつけたままのブラックペパーのほうが香りも辛味も強い。アメリカではブラックペパーが、中国やヨーロッパではホワイトペパーが好んで使われている。
肉の臭みを消し、さわやかな香りとぴりっとした辛味をもつブラックペパーは、あらゆる肉料理に非常によく調和し、下ごしらえのとき「塩こしょうする」のが常識になっている。肉料理以外にも各種のスープ、煮込み料理、サラダ、野菜炒(いた)め、目玉焼き、チャーハン、焼きそば、ラーメン、スパゲッティにも欠かせない。全粒のブラックペパーは、ペパーミルでひいて使用すると、より新鮮な香味が料理を引き立てる。ホワイトペパーは、ブラックペパーに比べると上品でマイルドな香味なので、色の白い料理であるホワイトソース、クリームシチュー、マッシュポテト、シタビラメのムニエル、クリーム煮、グラタンなどによくあう。また中国料理にもよく使われる。いずれのペパーも下味つけに、調理中に、さらにできあがった料理にふりかけてもよく、香辛料の王者である。
ペパーと同じ種類に属するもので北インド原産のロングペパー(インドナガコショウ)とジャワ島原産のロングペパー(ジャワナガコショウ)がある。ギリシア・ローマ時代には、北インドからのロングペパーは南インドからのペパーより早くから知られていて、数世紀にわたって、ペパーの4倍の価格で取引され、辛味も強く高級品とされていた。
日本への伝来は古く、756年(天平勝宝8)の「東大寺献物帳」に薬種としてその名がみえ、正倉院には南洋産コショウの果実が現存する。南蛮貿易が始まると多量に舶載されたが、売れ行きは芳しくなかった。日本料理には用いることが少なく、江戸初期には、うどんの薬味に用いられていたが、これものちトウガラシにとってかわられた。
[齋藤 浩]
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