魚料理の一種。粉屋の粉ひき娘が粉にまみれた姿を形容したものだといわれ、かならず小麦粉をまぶして焼く。ムニエルには、ヒラメやスズキのような白身の魚、タイラガイやアワビなどの薄い切り身が適する。
[小林文子]
シタビラメは頭の先を指先でつまみ、皮をむく。両側のひれを鋏(はさみ)で切り取る。頭と尾は切り取り、内臓を取り出して、塩、こしょうをして10分間置く。牛乳に20分間浸すか、白ワインをふりかけて魚の生臭みをとる。魚の両面をよくふき、全面に小麦粉をまぶし、余分の粉ははたき落とす。粉が多いとまだらに焼ける。フライパンにサラダ油とバターを半々に入れ、熱したところへ用意したシタビラメを入れる。中火にしてフライパンの柄(え)を前後に揺すって全体に火が回るように焼く。片面が焼けたら、オイル少量を加え、裏返して同様に焼く。焼き上がる寸前に白ワインを注ぎ、蓋(ふた)をしてさっと蒸らす。温めた皿に左側に頭がくるように盛り付ける。フライパンをきれいにして火にかけ、バターを入れ、泡がたって軽く焦げ色がついてきたらレモン汁を加えてソースをつくり、シタビラメの上面にさっとかける。シタビラメの中央にレモンの輪切りをのせ、上から刻みパセリをふりかける。上等な料理である。
[小林文子]
フランス料理の魚の調理法の一種で,材料に小麦粉をまぶし,たっぷりのバターで焼き上げる。名称はフランス語で粉屋風の意。おもにシタビラメ,カレイなどの白身の魚やサケ,ニジマスなどが用いられる。シタビラメを例にして作り方を記す。シタビラメは表側の黒っぽい皮をむきとり,裏側の白い皮はうろこだけをこそげとる。頭は内臓といっしょに斜めに切り落とし,尾とひれも切る。水洗いして牛乳に30分ほどひたして臭みを抜く。水気をよくふきとって塩・コショウし,焼く直前に小麦粉を薄くむらなくまぶす。フライパンにたっぷりのバターとサラダ油を入れ,中火で少し色がつくまで熱して,表身の側から入れ,バターをたびたびすくいかけながら両面を焼く。レモン汁,塩,コショウで調味した焦がしバター,刻みパセリをかけて供する。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…魚も同様に両面をきれいな黄金色に焼き上げるが,水分の多い魚は表面に小麦粉をまぶしてからソテーすることが多い。これをとくにムニエルという。野菜であくの強いものや固いものは下ゆでしてからソテーする。…
※「ムニエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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