カルシトニン

デジタル大辞泉 「カルシトニン」の意味・読み・例文・類語

カルシトニン(calcitonin)

甲状腺から分泌されるホルモン。骨のカルシウム放出を抑制し、尿中への燐酸りんさん排出、腸管でのカルシウム吸収を促進する。1963年、ラットの甲状腺で発見された。

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化学辞典 第2版 「カルシトニン」の解説

カルシトニン
カルシトニン
calcitonin

ペプチドホルモンの一つ.ほ乳類では主として甲状腺から,鳥類両生類および魚類などでは鰓(さい)後腺から分泌されている.32個のアミノ酸から構成されるが,動物の種差によりアミノ酸組成は異なる.ヒトウシブタサケウナギなどのカルシトニンの構造が研究されている.ヒトの構造は次に示す(一文字表記([別用語参照]アミノ酸),C末端がアミド化されている).

CGALSTCMLGTYTQDFNKFHTEPQTAIGVGAP-CONH2

血清カルシウムとリン酸低下作用,骨吸収抑制作用,抗ガストリン作用などがある.ぺージェット病,骨粗しょう症,原発性副甲状腺機能亢進症などの治療に用いられている.[CAS 9007-12-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルシトニン」の意味・わかりやすい解説

カルシトニン
calcitonin

チロカルシトニンともいう。 32個のアミノ酸から成るペプチドホルモンで,甲状腺から分泌される。分子量は 3604。構成するアミノ酸は種属によって異なるが,上皮小体ホルモンパラトルモンの作用と拮抗して,血清カルシウムおよびリン酸の低下を促進する。高カルシウム血症ページェット病骨粗鬆症などの治療に応用されている。

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栄養・生化学辞典 「カルシトニン」の解説

カルシトニン

 甲状腺が分泌するペプチドホルモンで,血漿のカルシウム濃度を低下させる活性をもつことから,骨のカルシウム損失を防ぐ作用がある.血漿カルシウム濃度が9mg/l以上になると濃度が上昇する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカルシトニンの言及

【内分泌腺】より

…哺乳類ではC‐細胞といって,甲状腺の濾胞細胞の間あるいは濾胞間に散在するが,哺乳類以外の脊椎動物では1対あるいは1個となって存在する。ともにカルシトニンcalcitoninを分泌する。円口類には存在しない。…

【副甲状腺】より

…すなわち,骨からのCaやPなどの塩類の溶出を促進するとともに,腎臓でのビタミンD活性化の促進により腸管からのCaとPの吸収を増加し,さらに,腎尿細管でのCaの再吸収促進とPの再吸収抑制を行うのである。なお,このホルモンの分泌は,カルシウムイオンCa2+濃度低下により亢進するが,これと拮抗するものに,甲状腺濾胞傍細胞から分泌されるカルシトニンcalcitonin(チロカルシトニンともいい,32個のアミノ酸からなる)があり,これには血中Ca2+降下作用がある。
[副甲状腺の異常]
 副甲状腺の機能の異常によりCaとPの代謝異常が起こる。…

【ホルモン】より

…魚類には副甲状腺はない。(5)鰓後腺(さいこうせん)ホルモン カルシトニンともいわれる。哺乳類とサケやマスで一次構造が明らかにされている。…

※「カルシトニン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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