ペプロス(読み)ぺぷろす(英語表記)peplos ギリシア語

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペプロス」の意味・わかりやすい解説

ペプロス
peplos

古代ギリシア女性衣服。俗にドーリス式キトンともいう。毛織物か亜麻布製の長方形の布の一部を縦に折返し,その折返しを外側にして身体をおおい,両肩はピンで,側方は縫うかピンで留めた。アテネの良家の子女は4年に1度女神官の指導で,市の守護神アテナ・ポリアス像に捧げるペプロスを織った。スパルタでは帯なしで,一方側面を開き,足を見せて着たが,一般にウエストか胸の下に帯を締めた。また折返した部分が長いときはその上から帯をした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペプロス」の意味・わかりやすい解説

ペプロス
ぺぷろす
peplos ギリシア語

古代ギリシアのキトンのうち、女性が着用したドーリス式キトンの別名広義にはカーテン垂れ布、覆い布を意味し、まれに男子の東方風外衣をさす。ラテン語ではペプルムpeplumまたはペプルスpeplusである。

[菅生ふさ代]


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