ホスファゲン(英語表記)phosphagen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホスファゲン」の意味・わかりやすい解説

ホスファゲン
phosphagen

筋肉が収縮した際に多量に消費されるアデノシン三リン酸 ATPの再補充のため, の形をとって筋肉中に備蓄されている高エネルギーリン酸化合物の総称。いずれもグアニジンリン酸誘導体の形をもつ物質 の反応で ATP を補い,また ATPと X から合成もされる。脊椎動物でのホスファゲンクレアチンリン酸である。無脊椎動物では,一部にクレアチンリン酸もあるが,アルギニンリン酸が代表的で,そのほかグリコシアミンリン酸,タウロシアミンリン酸など,多くの種類があり,特に環形動物で,それらの分布代謝について研究が進んでいる。イギリスの E.ボールドウィンは 1940年代に,脊椎動物にはクレアチンリン酸,無脊椎動物にはアルギニンリン酸が存在し,脊椎動物の遠い源と考えられる棘皮動物には両者が共存すると指摘した。無脊椎動物については,その後知識は大いに改訂されたが,進化への関心をもってするホスファゲン研究という今日の流れは,ボールドウィンに始る。

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