日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアニジン」の意味・わかりやすい解説
グアニジン
ぐあにじん
guanidine
尿素誘導体の一つ。非常に強い有機塩基である。イミノ尿素ともいう。潮解性の無色の結晶。水、エタノール(エチルアルコール)に溶けやすい。天然には、サトウダイコンやカブの汁液、キノコ類などに少量存在する。ジシアンジアミドと硝酸アンモニウムとを加熱することにより硝酸塩として得られる。チオシアン酸アンモニウムから合成する方法もある。空気中から二酸化炭素を吸収しやすい。160℃に加熱すると、アンモニアを放ちメラミンC3H6N6になる。硝酸塩は火薬の原料として、また塩酸塩は医薬品や染料の合成原料として用いられる。なお、人尿の中にも微量含まれており、尿毒症のときには量が増大するので、尿毒症の一因とも考えられている。
[山本 学]
[参照項目] |
| | [補完資料] |