ボニファシオ(読み)ぼにふぁしお(英語表記)Andres Bonifacio

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボニファシオ」の意味・わかりやすい解説

ボニファシオ(José Bonifácio de Andrada e Silva)
ぼにふぁしお
José Bonifácio de Andrada e Silva
(1763―1838)

ブラジルの政治家、作家、科学者。通称ジョゼ・ボニファシオ。サントスで生まれる。1783年から4年間ポルトガルコインブラ大学で自然科学を学んだ。王立リスボン科学アカデミア会員に選ばれ、90年から10年間ヨーロッパ各地で地質学冶金(やきん)学を学んだのちポルトガルに戻り、コインブラ大学の初代冶金学教授、鉱業局長などに就任した。ナポレオン軍とも戦った。1819年ブラジルに帰国して独立の推進者となったため「独立の元勲」Patriarca da Independênciaとよばれた。23年皇帝ペドロ1世と対立し、フランスに追放されたが、29年帰国し、31年退位するペドロ1世により王子ペドロ2世)の後見役に任じられた。

[山田睦男]


ボニファシオ(Andres Bonifacio)
ぼにふぁしお
Andres Bonifacio
(1863―1897)

フィリピン革命指導者マニラの下町トンドの貧しい家庭に生まれた。外国商会の雇員として働きつつ、スペイン語自由主義思想などを独習。スペイン支配の改革運動に参加したが、これに失望して、1892年7月秘密結社カティプーナンを結成、1896年8月武装革命を開始した。しかし闘争過程でアギナルドらカビテ州有産階級との間に指導権争いが生じ、これに敗れて、1897年5月10日処刑された。

[池端雪浦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボニファシオ」の意味・わかりやすい解説

ボニファシオ
Bonifacio de Andrada e Silva, José

[生]1763.6.13. サントス
[没]1838.4.6. ニテロイ
ブラジルの政治家,独立運動の指導者。ポルトガルのコインブラ大学を卒業後,同大学地質学教授。 1819年祖国に戻り独立派領袖となった。 22年ドン・ペドロ (のちのペドロ1世 ) に独立を建言,9月7日の独立宣言の直接的契機をつくった。独立後首相として難局を処理したが,皇帝ペドロ1世と合わずフランスに亡命 (1823~29) 。 31年皇太子 (のちのペドロ2世) の後見役に任じられたが,33年ペドロ1世の復位をはかり失脚した。

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