ボルジェーゼ(読み)ぼるじぇーぜ(英語表記)Giuseppe Antonio Borgese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボルジェーゼ」の意味・わかりやすい解説

ボルジェーゼ
Borgese, Giuseppe Antonio

[生]1882.11.11. シチリア,ポリッツィジェネローザ
[没]1952.12.4. フィエゾーレ
イタリアの小説家,評論家。フィレンツェ大学の卒業論文『イタリア・ロマン主義批評史』 Storia della critica romantica in Italia (1905) がクローチェの推薦で出版され,『レオナルド』『ヌオーバ・アントロジーア』などの雑誌に評論を発表。クローチェ美学の命題を受入れながらも,作品評価の決定方法において対立し,クローチェと決別ファシズム批判を行い,1931年にアメリカに渡って,シカゴ大学教授となり,38年には市民権を得た。主著ゴリアテ』 Goliath,the March of Fascism (37) ,『人生と書物』 La vita e il libro (3巻,10~13) ,『ルベ』 Rubé (21) ,『生者と死者』I vivi e i morti (23) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルジェーゼ」の意味・わかりやすい解説

ボルジェーゼ
ぼるじぇーぜ
Giuseppe Antonio Borgese
(1882―1952)

イタリアの小説家、劇作家、批評家。シチリアに生まれる。文芸批評家として一流の名声をはせたのち、1921年に初めて発表した長編小説『ルベ』は、第一次世界大戦の前後を通じてのイタリアの社会相を背景にインテリゲンチャ苦悩没落を描き、現代イタリア小説の傑作として各国語に翻訳された。ほかに長編『生者と死者』(1923)、短編集『見知らぬ都』(1925)、戯曲に『大公』(1924)など。おもな評論には『イタリア・ロマン主義批評史』(1905)、『ダンヌンツィオ論』(1909)、『人生と書物』などがある。ファシズムを攻撃してアメリカに亡命晩年は世界連邦運動にも参画した。

[磯辺馨次]

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