ボロニア(その他表記)Boronia heterophylla F.V.Muell.

デジタル大辞泉 「ボロニア」の意味・読み・例文・類語

ボロニア(〈ラテン〉Boronia)

オーストラリア固有のミカン科低木。約90~100種あり、そのうちの数種が日本で観賞用に栽培される。

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改訂新版 世界大百科事典 「ボロニア」の意味・わかりやすい解説

ボロニア
Boronia heterophylla F.V.Muell.

濃紅色の小さなつぼ状の花を小枝にたくさんつけ,かわいらしいので鉢植えとして栽培されるミカン科の常緑低木。葉にはミカンに似た香りがある。原産地はオーストラリア。高さ1~2m,鉢物では20~30cmでも花をつける。葉は奇数羽状複葉で,長さ1.5~2cmの線形の小葉を3または5葉つける。花は1葉腋ようえき)に4~6個をつけ,花径1cmくらいで,下を向く。ややエリカに似た感じがする。おしべは8本,めしべは1本である。繁殖挿木による。日当り好み排水のよい土が適する。鉢植えで小さく作る場合には摘芯をくり返し枝を多く出すようにする。9月中旬ころまでで摘芯を終わらせ,初冬温室へ入れると,3月ころに開花する。

 ボロニア属はオーストラリアに約70種が分布し,花に芳香があるため数種が栽植され,また香水用の精油も採取される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボロニア」の意味・わかりやすい解説

ボロニア
Boronia

ミカン科ボロニア属の総称。オーストラリア固有の属で,約 70種が分布。いずれも低木で,羽状複葉または単葉互生。花は腋生または頂生し,花冠は鐘形に下垂,または星状に平開する。紫紅色の鐘形花をつけるボロニア・ヘテロフィラ B.heterophyllaやピンクの星のような4弁花をつけるボロニア・ピンナタ B.pinnata,鐘形の花冠の外側が紫褐色で,内側が黄色になるボロニア・メガスティグマ B.megastigmaなどが鉢植えで流通する。夏はなるべく涼しく,冬は暖かく管理する。越冬温度は5℃以上が必要である。

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百科事典マイペディア 「ボロニア」の意味・わかりやすい解説

ボロニア

オーストラリア原産のミカン科の常緑低木で,約70種がある。花は4弁で,花弁が開かず壺状になるものと,開いて星型になるものとがある。切花,鉢花の代表種ボロニア・ヘテロフィラは高さ1m内外,ふつう線形の葉を対生し,桃〜紅紫色の花は上部の枝の葉腋に単生する。〈黒花ボロニア〉とよばれる芳香性の別種ボロニア・メガスティグマは花弁の外側が暗紫褐色で内側は黄色。〈黄花ボロニア〉はその黄色が外側にもあらわれるようになったもの。いずれも開花は春で,秋には輸入品が出回る。

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