改訂新版 世界大百科事典 「ポタモガーレ」の意味・わかりやすい解説
ポタモガーレ
potamogale
otter shrew
Potamogale velox
別名,カワウソジネズミ。カワウソ(食肉目イタチ科)に似た姿をした水生の哺乳類。食虫目ポタモガーレ科。カワウソ同様,円筒状の胴に短い四肢と太く長い尾をもち,目と耳は小さい。鼻孔は水中で閉じることができる。扁平な口吻(こうふん)部には,水中で獲物をさぐるのに使われる太い触毛が生える。食虫類としては体が大きく,体長29~35cm,尾長25~29cm。体色は,背面は暗い茶色,腹面は黄色みを帯びた白色。手足に水かきはなく,水中を進むための推進力は,先が左右に扁平な尾を振ることによって得られる。アフリカ中央部の雨林の湿地や,ゆるやかな流れの川をすみ場所として,水中を泳いでカニ,魚,両生類を捕食する。主として夜行性で,日中は,岸に掘った巣穴で休む。巣穴の出入口はカワウソの場合と同様水中に開く。1産2子を生む。近縁種に,体の大きさがおよそ半分のヒメポタモガーレMicropotamogale lamotteiほか1種がある。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報