ポーポーともいう。バンレイシ科の温帯に適した落葉果樹。葉と花の形状はカキに似ているが,果形はアケビに類似し,果実は2~3個が短い果柄に連なって結実し,1果に約10個の種子がある。日本では,秋に黄色に熟れる。果肉はやや濃い黄色のクリーム状となり,甘みは強いが,特有の香りがある。それを異臭として好まない人もいる。熱帯域を中心に分布するバンレイシ科のなかでは,最も北部の北アメリカの温帯原産であり,ニューヨーク南部からフロリダにわたって分布するが,重要果樹ではない。日本にも明治時代と第2次大戦後に,多く導入されたが,経済果樹とはならずに,庭の片隅に生育し続けている。完熟すると落果しやすくなるために,少し早めに収穫し,追熟させるとよい。貯蔵性および輸送性に乏しいために,生産地での生食が主流となっている。サラダなどにも利用できる。
執筆者:岸本 修
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(2014-9-12)
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…【岸本 修】
[バンレイシ科Annonaceae]
世界中の熱帯・亜熱帯域に広く分布し,約130属2300種を含む大きな科で,モクレン目に属する(図)。すべて木本性で,常緑の高木から低木,あるいはつる性で,ポポーのように温帯産で落葉のものはごく少数である。葉は互生し全縁。…
※「ポポー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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