ポポー(英語表記)papaw
pawpaw
Asimina triloba (L.) Dun.

デジタル大辞泉 「ポポー」の意味・読み・例文・類語

ポポー(papaw)

ポーポー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ポポー」の意味・わかりやすい解説

ポポー
papaw
pawpaw
Asimina triloba (L.) Dun.

ポーポーともいう。バンレイシ科の温帯に適した落葉果樹。葉と花の形状はカキに似ているが,果形はアケビに類似し,果実は2~3個が短い果柄に連なって結実し,1果に約10個の種子がある。日本では,秋に黄色に熟れる。果肉はやや濃い黄色のクリーム状となり,甘みは強いが,特有の香りがある。それを異臭として好まない人もいる。熱帯域を中心に分布するバンレイシ科のなかでは,最も北部の北アメリカの温帯原産であり,ニューヨーク南部からフロリダにわたって分布するが,重要果樹ではない。日本にも明治時代と第2次大戦後に,多く導入されたが,経済果樹とはならずに,庭の片隅に生育し続けている。完熟すると落果しやすくなるために,少し早めに収穫し,追熟させるとよい。貯蔵性および輸送性に乏しいために,生産地での生食主流となっている。サラダなどにも利用できる。
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知恵蔵mini 「ポポー」の解説

ポポー

バンレイシ科ポポー属の落葉高木。ポーポー、ポポなど読みはいろいろで、日本ではアケビガキとも呼ばれる。原産は北アメリカ東部の中~北部地帯。春に紫色の花を咲かせ、秋にアケビのような長楕円形で黄緑色の実をつける。実は食用となり、果肉は黄色から薄いオレンジ色で粘度が高い。熟すと非常に強い香りがし、甘みに富んだ濃厚な味で「森のカスタードクリーム」とも称される。病害虫に強く無農薬で栽培できるが、収穫後の熟変が早いため流通が難しく、地産地消型の果実となっている。日本には明治時代に入ってきたとされるが、いつしか幻の果実といわれるほどまで商業栽培が減った。愛媛県大洲市長浜町や茨城県日立市十王町などが日本の主産地として挙げられ、2014年9月には静岡市の個人が約2500個の量産に成功した。

(2014-9-12)

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百科事典マイペディア 「ポポー」の意味・わかりやすい解説

ポポー

ポーポーとも。北米南東部原産のバンレイシ科の落葉中高木。自生地では河川低湿地などにはえる。日本には明治時代に渡来したが,家庭用果樹にとどまった。春,6弁の紫褐色のカキに似た鐘状花をつけ,果実はアケビに似た形で秋に収穫。果肉は柔らかくて甘く,特有の強いかおりがある。

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栄養・生化学辞典 「ポポー」の解説

ポポー

 [Asimina triloba].モクレン目バンレイシ科ポポーノキ属の落葉小高木で,果実を食用にする.なお,英語のpawpawはパパイヤ意味にも使う.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポポーの言及

【バンレイシ(蕃茘枝)】より

…【岸本 修】
[バンレイシ科Annonaceae]
 世界中の熱帯・亜熱帯域に広く分布し,約130属2300種を含む大きな科で,モクレン目に属する(図)。すべて木本性で,常緑の高木から低木,あるいはつる性で,ポポーのように温帯産で落葉のものはごく少数である。葉は互生し全縁。…

※「ポポー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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