ポーポー(読み)ぽーぽー(英語表記)pawpaw

翻訳|pawpaw

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポーポー」の意味・わかりやすい解説

ポーポー
ぽーぽー
pawpaw
[学] Asimina triloba (L.) Dunal

バンレイシ科(APG分類:バンレイシ科)の落葉小高木。ポポーともいう。アメリカ南東部原産。葉は卵形または長卵形で長さ15~30センチメートル、先は丸く、表面は平滑である。4~5月、葉が出る前に、黒褐色で径約2センチメートル、雌蕊(しずい)先熟の両全花を開く。果実は9~10月に熟し、長楕円(ちょうだえん)形で長さ約15センチメートル。一果から数果が房状につき、可食部は乳白色でバナナに似た香りがあり、赤褐色の種子が多数ある。

 花は強い自家不和合性があり、果実を得るためには2系統以上を混植する必要がある。直根性で肥沃(ひよく)土では大樹となる。繁殖は実生(みしょう)により、5~6年で結果樹となる。本州中部地方以西では栽培できる。アメリカでは庭園樹として栽培されることが多い。

 なおpawpawはスペイン語ではパパイヤをさすので、混同されることが多い。

[飯塚宗夫 2018年7月20日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポーポー」の意味・わかりやすい解説

ポーポー
Asimina triloba; papaw; pawpaw

バンレイシ科の落葉高木。フロリダテキサスなどアメリカ中南部原産の果樹で,アメリカでは高さ 10m以上になるが,日本では 4m程度。葉は長さ 10cmあまりの卵状長楕円形で互生する。4月頃,葉に先立ち径 3cmほどの紫褐色の6弁花をつけ,10月頃アケビに似た円筒形の果実を結ぶが,アケビのように開裂はせず黄色く熟する。果肉には特有の香気があり,きわめて甘い。普通生食するが,アメリカではジャム製造にも用いる。明治年間に日本に渡来したが,各地で栽培されるようになったのは近年である。

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