マグダレナ川(読み)マグダレナがわ(英語表記)Río Magdalena

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マグダレナ川」の意味・わかりやすい解説

マグダレナ川
マグダレナがわ
Río Magdalena

コロンビア西部を流れる川。同国南西部,アンデス山脈が中部山脈と東部山脈に分岐するあたりに源を発し,両山脈の間を北流したのち,下流部でサンホルヘ,セサル,カウカなど多数支流とともに広大な湿地状の氾濫原を形成,バランキヤの下流でカリブ海に注ぐ。全長約 1540km。流路は比較的まっすぐで,流れが速く,水深が激しく変化する。小型汽船は,中流部オンダ付近で急流に妨げられる以外,河口から上流部沿岸ネイバまで航行可能。外洋船は浚渫によりバランキヤまで遡航できる。スペイン植民地時代より交易路として重要な役割を果し,鉱石農産物が小型船で運ばれ,19世紀なかば以降は汽船による運搬が盛んになった。しかし 20世紀に入ってからは,経済動脈としての役割は道路,鉄道,空路などによって次第に取って代られてきている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マグダレナ川」の意味・わかりやすい解説

マグダレナ川
まぐだれながわ
Río Magdalena

南アメリカ北西部の川。コロンビアのコルディエラ・セントラル山脈とオリエンタル山脈の間を北流し、カリブ海に注ぐ。全長1543キロメートル、流域面積27万3300平方キロメートル。下流部で最大の支流カウカ川が合流する。可航区間は1295キロメートルあるが、現在恒常的に水上交通に利用されているのは河口より997キロメートル上流のラ・ドラードまでである。最下流部は延長105キロメートルのディケ運河でカルタヘナ港と結ばれる。中流域にはバランカベルメハを中心に油田が多数分布する。

[松本栄次]

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