バランキヤ(読み)ばらんきや(英語表記)Barranquilla

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バランキヤ」の意味・わかりやすい解説

バランキヤ
Barranquilla

コロンビア北西部,アトランティコ州の州都。カリブ海に注ぐマグダレナ川河口から約 20km上流の左岸に位置する港湾都市。 1629年建設の古い町であるが,同川河口部に砂州があって外洋との連絡が妨げられていたため,長い間カリブ海沿岸の港,サンタマルタカルタヘナの繁栄の陰にあり,ほとんど重要性をもたなかった。 19世紀なかば同川に就航した汽船起点となってから発展しはじめ,その後西約 20kmの外港プエルトコロンビアと鉄道で結ばれ,さらに 1930年代には河口部が浚渫されて外洋船が直接入港できるようになり,急速に発展,同国第1の港となった。第2次世界大戦後は河川交通がやや衰え,陸上交通が盛んとなったため,鉄道と道路で内陸部と結ばれた太平洋岸の港ブエナベントゥラの発展に押されたが,現在依然として同国の主要港の一つで,おもに内陸部からのコーヒー,天然ガス,石油,周辺地域からの綿花を積出す。近年は工業都市としての発展も著しく,繊維,飲料,食品,セメント製靴,衣料,化学製品などの工業が立地。市内にはアトランティコ大学 (1941) ,ノルテ大学 (66) がある。サンタマルタとカルタヘナを結ぶ幹線道路が通るほか,南郊に国際空港があり,カリブ海観光の玄関ともなっている。人口 92万 3788 (1985) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バランキヤ」の意味・わかりやすい解説

バランキヤ
ばらんきや
Barranquilla

南アメリカ、コロンビア北部の港湾都市。アトランティコ州の州都。マグダレナ川の河口から16キロメートル上流に位置するコロンビア第一の貿易港で、国内商業の一大中心地でもある。バランキージャともいう。人口122万6292(1999)、123万6202(2019推計)。1629年アンデス高原への交通基地として建設された。1930年代にマグダレナ川の浚渫(しゅんせつ)工事が完成し、同川の水運終点として外洋汽船の出入りが増え急速に発展、1961年にはボゴタと結ぶ太平洋鉄道が完成した。市街地はスペイン風の碁盤目状で、ボリーバル中央広場の大伽藍(がらん)、大通り、河岸・運河沿いの市場などが旅行者の目をひく。近代工業都市としても発展し、繊維、香水、植物油、セメント、精油、石油化学、たばこ製材造船、ビール醸造などの工場が多い。

[山本正三]

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