日本大百科全書(ニッポニカ) 「マネキン」の意味・わかりやすい解説
マネキン
まねきん
mannequin 英語
mannequin フランス語
フランス語ではマヌカンといい、(1)美術、医学用の人体模型、(2)服をかける人台、(3)ドレススタンド、(4)マネキン人形、(5)ファッション・モデル、などの意味がある。日本では、大正の初め、ファッション・モデルのグループとしてマネキンクラブの名が用いられたが、これは、当時モデルといえばヌードを意味するのを嫌ってのことという。昭和に入ってからは、新商品の宣伝販売にデパートに派遣される女子店員をマネキンガールといい、当時の流行語となった。今日では、デパート、スーパー、展示場などへの販売スタッフやデモンストレーターを派遣する組織をマネキン紹介所といい、厚生労働大臣の許可を受けて求人・求職を斡旋(あっせん)している。
[小川乃倫子]
マネキンは普通、衣装用のマネキン人形をさしており、動くマネキンのほうは、ファッション・モデル、あるいはマヌカンの語が使われる。現在のような職業人としてのモデルが登場したのは20世紀初めのことで、パリのクチュリエ、ポール・ポワレPaul Poiret(1879―1944)が専属のモデルを連れて各地でショーを開いたのが最初である。
[辻ますみ]