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菊人形 きくにんぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

菊人形
きくにんぎょう

色とりどりのキクの花を用い,種々に組合せて人物や鳥獣の形をつくり,観覧に供するもの。明治時代には,東京の本郷団子坂や浅草の花屋敷,両国の国技館,大阪の枚方,京都の亀岡,福島の二本松などの菊人形が有名であった。文化初年に江戸麻布の狸穴でキクを使って鶴や帆掛船が初めてつくられたといわれ,文化9 (1812) 年に巣鴨菊細工人が狸穴にならってつくったのが評判となり諸所で行われるにいたったと『武江年表』にある。近時は郊外の遊園地などで催されるにとどまっている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

菊人形

花の部分を挿していると思われがちだが、花が小ぶりで茎が折れにくい特殊な「人形菊」をごと使う。菊を束ね、根に水苔(みずごけ)を巻いて作った「玉」を、網目状に組んだ人形の型に差し込み、茎をイグサで型に結んで菊を「着せる」。会期中は根に水をやって長持ちさせ、途中で花の「着せ替え」もする。

(2012-06-26 朝日新聞 夕刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

きく‐にんぎょう〔‐ニンギヤウ〕【菊人形】

菊花で衣装部分をこしらえた人形。また、その見世物。主に歌舞伎当たり狂言に題材をとる。 秋》「夜風たつ―のからにしき/蛇笏

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百科事典マイペディアの解説

菊人形【きくにんぎょう】

菊細工の人形およびその見世物。キクの花,葉を組み合わせて衣装とし人形にまとわせ,多くは歌舞伎などの名場面に仕組んで飾り,見世物とする。文化年間江戸で始められ,毎年秋多くの見物客を集めた。
→関連項目武生[市]

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世界大百科事典 第2版の解説

きくにんぎょう【菊人形】

菊の花や葉を組み合わせ細工してつくった人形。古くは菊細工といった。多くは芝居の当り狂言を題材にしたりして,人気俳優の似顔につくったもの,劇や物語にしくんだもの,あるいは世相,流行,風俗などに取題したものや花鳥,動物類など種類はさまざまで見世物にする。起源ははっきりしないが,江戸時代の文化年間(1804‐18)前期に江戸麻布狸穴(まみあな)で始められ,続いて巣鴨の植木職の多い染井でも流行したという。やがて文化末年には巣鴨に菊細工を業とする家が50軒余も出現し,一枚刷りの番付が発行されるほどの隆盛を示したが,一時的な人気に終わった。

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大辞林 第三版の解説

きくにんぎょう【菊人形】

菊細工で衣装を飾った人形。物語や歌舞伎の当たり狂言、世相・風俗などに取材したものが多い。 [季] 秋。 「坂下では-が二三日前開業したばかりである/三四郎 漱石

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

菊人形
きくにんぎょう

人形の衣装を菊の花や葉を組み合わせてつくった細工物。古くは菊細工ともいった。芝居の当り狂言を題材にして人気俳優の似顔につくった生き人形の頭(かしら)を用いるようになってから菊人形とよぶようになった。劇や物語に仕組んだもの、世相風俗に取題したもの、鶴(つる)、唐獅子(からじし)など花鳥、動物類を扱ったものなど種類が多い。江戸時代、文化(ぶんか)年間(1804~18)前期、江戸で麻布狸穴(まみあな)の植木屋たちが手がけたのが始まりという。続いて巣鴨(すがも)の染井(そめい)の植木職の間でも流行、文化末年には巣鴨に菊細工を見せる家が50余軒も出現して、一枚摺(ず)りの番付が発行されるほどの隆盛を示した。1844年(弘化1)に巣鴨霊感院の会式(えしき)に「日蓮(にちれん)法難」などの菊細工の飾り物が評判になり、翌年には白山、駒込(こまごめ)、根津谷中(ねづやなか)一帯、団子坂(だんござか)を中心に見せ物として進出。植木職以外の家までがこの細工物を業とし、その数は60余軒に上った。
 明治期に入ってもこの催しは盛んで、毎年10月から11月にかけて見物させ、1875年(明治8)からは入場料をとるようになった。さらに1910年(明治43)には両国の国技館で電気応用の菊人形大会が催され、以後東京の秋の催し行事の一つとなった。団子坂の菊人形は明治末年まで残存した。現在では遊園地などの客寄せ用に行われているが、二本松(福島県)、笠間(かさま)(茨城県)、万松寺(名古屋)、亀岡(京都府)、枚方(ひらかた)(大阪府)などの菊人形が知られている。[斎藤良輔]

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