マルメディ(読み)まるめでぃ(英語表記)Malmédy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルメディ」の意味・わかりやすい解説

マルメディ
まるめでぃ
Malmédy

ベルギー東部、リエージュ州の小工業都市。人口1万1394(2002)。1919年ベルサイユ条約によりドイツから割譲された地域。93年の連邦制移行に伴い発足し、文化、教育面で独自の権限を有しているドイツ語共同体にオイペンとともに属している。アルデンヌ高原を刻むワルシュ川の美しい谷に位置し、製紙皮革工業で知られる。観光周遊の中心でもあり、カーニバルが盛ん。1794年まで修道院領を形成。1815~1919年はプロイセン領。第二次世界大戦では1944年のドイツ軍による空爆で中心の古い民家は破壊された。同年12月17日、ドイツ軍がアメリカ軍捕虜を殺した「マルメディ虐殺」事件が発生した。

[川上多美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルメディ」の意味・わかりやすい解説

マルメディ
Malmédy

ベルギー東部,リエージュ州の町。リエージュの南東約 40kmに位置する。7世紀に修道院を中核に建設され,1000年以上もの間,神聖ローマ帝国の聖職者領として存続。 18世紀末から 19世紀初頭にかけてフランス支配を受け,1815年からはプロシア領,1920年以後はベルサイユ条約によりベルギー領となった。観光業が中心であるが,製紙やビール醸造も行われる。人口1万 291 (1991) 。

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