日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンガン重石」の意味・わかりやすい解説
マンガン重石
まんがんじゅうせき
hübnerite
タングステンの鉱石鉱物の一つ。中~高温熱水鉱脈鉱床、気成鉱床、接触変成層状マンガン鉱床中などに産する。しばしば長柱状ないし板状の自形結晶をなし、日本では兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)などで前者の産状のものが、栃木県鹿沼(かぬま)市加蘇(かそ)鉱山(閉山)などで後者の産状のものが知られているが、鉱石を形成するほどのまとまった量をなすものではない。鉄重石と連続した化学組成変化を示し、中間物は鉄マンガン重石とよばれる。英名はドイツの鉱山技師ヒュプナーAdolph Hübnerにちなむ。
[加藤 昭 2018年10月19日]