マンガン重石
まんがんじゅうせき
hübnerite
タングステンの鉱石鉱物の一つ。中~高温熱水鉱脈鉱床、気成鉱床、接触変成層状マンガン鉱床中などに産する。しばしば長柱状ないし板状の自形結晶をなし、日本では兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)などで前者の産状のものが、栃木県鹿沼(かぬま)市加蘇(かそ)鉱山(閉山)などで後者の産状のものが知られているが、鉱石を形成するほどのまとまった量をなすものではない。鉄重石と連続した化学組成変化を示し、中間物は鉄マンガン重石とよばれる。英名はドイツの鉱山技師ヒュプナーAdolph Hübnerにちなむ。
[加藤 昭 2018年10月19日]
マンガン重石(データノート)
まんがんじゅうせきでーたのーと
マンガン重石
英名 hübnerite
化学式 MnWO4
少量成分 Fe
結晶系 単斜
硬度 4~4.5
比重 7.23
色 暗赤褐
光沢 樹脂~亜金属
条痕 赤褐~黄
劈開 一方向に完全
(「劈開」の項目を参照)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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マンガンじゅうせき
マンガン重石
hübnerite
化学組成MnWO4の鉱物。鉄重石と連続固溶体をつくり,その中間成分のものは鉄マンガン重石という。単斜晶系,空間群P2/c, 格子定数a0.485nm, b0.577, c0.498, β90.88°,単位格子中2分子含む。晶癖板状・粒状。肉眼では黄褐~黒色,条痕黄褐~赤褐色。鉄の増加とともに褐黒~黒褐色に変化。透過光では黄褐~赤褐色半透明,反射光では暗灰色,異方性X=Y帯黄赤褐,Z赤褐,吸収X<Y≪Z,2V(+)73°,屈折率α2.17, β2.22, γ2.32。劈開{010}完全。硬度4.0~4.5, 比重7.1~7.3。マンガン鉱床,銅・錫・タングステン鉱床などから産する。石英・磁硫鉄鉱・閃亜鉛鉱などと共生。Riotte(1865)により米国ネバダのMammoth地方から発見,A.Hübnerにちなんで命名。
執筆者:広渡 文利・福岡 正人
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のマンガン重石の言及
【タングステン酸塩鉱物】より
…錯陰イオンの(WO4)2-と陽イオンによって構成されている鉱物で,陽イオンをMとすると化学組成は一般にMWO4と表される。タングステン酸塩鉱物は結晶系のちがいから灰重石群と鉄マンガン重石群に分けられている。灰重石群の鉱物には[灰重石]CaWO4,銅重石cuproscheelite CuWO4,鉛重石stolzite PbWO4などがあり,すべて正方晶系に属する。…
※「マンガン重石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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