タングステン(W)の鉱石鉱物の一つ。主として気成鉱脈ないし高温熱水鉱脈鉱床中に産し、石英を脈石鉱物とする。少量のマンガン(Mn)を含み、鉄マンガン重石と化学組成上連続する。鉄(Fe)とマンガンの比が4:1より鉄に富むものをさす。一時は正タングステン酸第一鉄塩のように考えられていたが、その原子配列はタングステン酸基としての条件を満たしていない。すなわち6価のタングステンイオンの周囲の酸素の配位数が6で、WO4というタングステン酸に相当する原子団をつくっていないため、現在は複酸化物とみなされている。自形は斜方板状で、錐(すい)面が発達する。兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)、同明延(あけのべ)鉱山(閉山)、栃木県足尾鉱山(閉山)などに産した。英名はドイツの鉱物学者ファーバーMoritz Rudolph Ferber(1805―1875)にちなむ。
[加藤 昭 2017年9月19日]
ferberite
化学組成FeWO4の鉱物。マンガン重石(hübnerite, MnWO4)と固溶体を形成。中間のものは鉄マンガン重石としてよく知られる。単斜晶系,空間群P2/c, 格子定数a0.4730nm, b0.5703, c0.4952, β90.00°, 単位格子中2分子含む。黒色,亜金属光沢の板状結晶で条線あり。劈開{010}完全,断口不規則,条痕褐黒~黒色。わずかに磁性あり。モース硬度4~4.5,ビッカース硬度387~418, 比重7.61。反射顕微鏡下では灰白,多色性なし,異方性明瞭(緑黄~暗灰),内部反射なし。熱濃硫酸・塩酸に難溶だが,王水に可溶。気成鉱床や高~中温熱水鉱床等に常に石英と共存して産する。学名はドイツのR.Ferberにちなむ。和名はFeを主成分とする重い石(比重7.61)の意。
執筆者:青木 義和
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
…タングステンの一部をモリブデンが置きかえたものも存在し,灰重石には銅重石成分が部分的に固溶する。鉄マンガン重石群には単斜晶系の鉄重石FeWO4,鉄マンガン重石(Fe,Mn)WO4,およびマンガン重石MnWO4が属し,鉄重石とマンガン重石の間は連続固溶体である。そのうち,鉄重石分子が100~80%のものを鉄重石ferberite,80~20%のものを鉄マンガン重石,20~0%のものをマンガン重石huebneriteという。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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