ミニコンピュータ(読み)みにこんぴゅーた(その他表記)minicomputer

翻訳|minicomputer

精選版 日本国語大辞典 「ミニコンピュータ」の意味・読み・例文・類語

ミニ‐コンピュータ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] minicomputer ) 主に、科学技術研究用に開発された小型のコンピュータ制御演算装置として大きなシステム一部に組み込まれることが多い。ミニコン
    1. [初出の実例]「それらを、ミニ・コンピュータにかけて、統計的な処理を行なった」(出典:コンピュータが死んだ日(1972)〈石原藤夫〉五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミニコンピュータ」の意味・わかりやすい解説

ミニコンピュータ
みにこんぴゅーた
minicomputer

コンピュータの分類の一つを表す。1960年代のなかばからコンピュータを構成する電子回路技術の発展もあって、自動制御などを行うのに工場の機器設備に組み込んで使う、小型のコンピュータが生まれてきた。これらをそれまでの汎用(はんよう)コンピュータ(大型・中型・小型)と区別するのに使われたのが、ミニコンピュータという用語である。

 1970年代には、小型かつ安価であることを武器に、ミニコンピュータは大学の研究室単位でも使えるコンピュータとして広まっていった。DEC(デック。Digital Equipment Corporation。1998年コンパック・コンピュータと合併)社のPDPシリーズは、こうしたミニコンピュータの代表格であり、いま広く使われているオペレーティングシステムOS)の一つであるUNIXユニックス)もその上で生まれた。

 マイクロプロセッサー発達によって、工場システムや各種機器へのコンピュータの組込みは、部品レベルで行えるようになり、ことさらミニコンピュータという分類を行う理由はもはや失われている。超高速の科学技術計算を行うスーパーコンピュータの小型廉価版にあたるコンピュータをスーパーミニコンピュータということがあるように、いまでは「ミニ」が小型廉価を示す形容詞として使われている。

[筧 捷彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミニコンピュータ」の意味・わかりやすい解説

ミニコンピュータ
minicomputer

高性能で低価格の小型コンピュータのこと。 (1) 演算装置の加減算速度は 0.3~1.0マイクロ秒程度で,主記憶容量も十分とることができる,(2) 多種類のしかも多数の入力装置や記憶装置を接続できる,(3) 内部記憶装置の増設などシステムの拡張が容易である,(4) 多目的に使用できる汎用機であることなどが一般的条件で,その適用範囲は広く,計算,制御,通信など各システムに活用されている。一方では LSI技術の発達によってマイクロコンピュータの性能が向上し,ミニコンピュータと区別がつかなくなってきており,またミニコンピュータも性能向上で,中型コンピュータ並みの能力以上のものが現れてきて,このような言葉によるコンピュータの区別は意味を失いつつある。

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DBM用語辞典 「ミニコンピュータ」の解説

ミニ・コンピュータ【minicomputer】

マイクロコンピュータ(パソコン)より大きくメインフレームより小さい中位の容量のコンピュータ。ミニコンピュータはマイクロコンピュータよりも大量のデータを処理することができ、メインフレームのほとんどどの機能を持つ。日本で言うオフィスコンピュータ(通称オフコン)は米国ではミニコンピュータといわれる。

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