ミヤマザクラ(読み)みやまざくら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマザクラ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマザクラ
みやまざくら / 深山桜
[学] Cerasus maximowiczii (Rupr.) Kom.
Prunus maximowiczii Rupr.

バラ科(APG分類:バラ科)の落葉高木。葉は互生し、倒卵形で長さ4~7センチメートル、先は短く尾状にとがり、縁(へり)に欠刻状の重鋸歯(じゅうきょし)があり、裏面葉柄に毛がある。花期は遅く、5~6月、総状花序をつくり、径1.5~2センチメートルの白色花を4~7個開く。小花柄の基部に、葉状包葉があり、果実期まで残存するので、ほかのサクラと区別しやすい。北海道から九州の深山、および朝鮮半島、中国東北部、沿海州南部のウスリー地方、樺太(からふと)(サハリン)に分布する。

小林義雄 2020年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤマザクラ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマザクラ(深山桜)
ミヤマザクラ
Prunus maximowiczii

バラ科の落葉高木。日本の北部,サハリン,朝鮮半島,ウスリーに分布し,深山に生える。高さは5~10mになり,若枝には毛が多い。葉は互生し,倒卵形で,葉柄とともに短毛がある。5月頃,葉腋から短い総状花序を出し,5~6個の白色5弁花を咲かせる。花径は 2cmぐらいで,花弁先端はほかのサクラのようにくぼまない。また花軸に葉状の包葉をつける点が特徴的である。果実は小球形で,夏に紅紫色に熟する。

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世界大百科事典(旧版)内のミヤマザクラの言及

【サクラ(桜)】より

…一般にサクラと総称しているものは,主として北半球の温帯と暖帯に分布しているバラ科サクラ属サクラ亜属の主として落葉性の樹木で,花がいっせいに開花して美しいものが多く,広く観賞されている。日本にはヤマザクラ,オオヤマザクラをはじめ,カスミザクラ,オオシマザクラ,マメザクラ,エドヒガン,チョウジザクラ,ミヤマザクラ,タカネザクラなど10種類ほどの自然種を基本として,変種や品種をあわせると約100ほどの種類が野生している。サクラ類の多くは陽樹で,しかも二次林を構成する生長の速い種が多いため,人家で栽植するにも好適であり,これらの野生種から多数の園芸品種が育成され,その数も200から300といわれる。…

※「ミヤマザクラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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